Alpは東京、赤羽に建つ集合住宅です。敷地は都心にも関わらず山襞がそのまま残り、縄文時代の遺跡が出土するような場所です。その場所に適した色に調合することで、着色コンクリートが土地のもつ潜在力を引き出すような効果をもたらしました。この建築物は、2015年に開催されたランクセスの「第2回カラーコンクリート・ワークス・アワード」の最優秀賞に輝きました。
平田氏は敷地全体が持っている潜在力を引き出すように、地形という抽象化したイメージで建築を捉え直そうと考えました。これにより建物の内外の空間が豊かになること、そして建物と周辺の街並が新しい意味での調和をなすことを目標とし、地形が隆起してできたような表情を持たせるために、コンクリートに墨色の着色を施しました。
この地形のような生成原理をもつ集合住宅は、小さな屋根が連続する周辺環境になじみながら、そうした風景が、自然の大きな営みとつながりを持っていることに気づかせてくれます。平田氏は素材としてコンクリートの新しい表現を生み出しました。
使用された製品: バイフェロックス4330(黒)/3
設計:平田晃久(株式会社平田晃久建築設計事務所)