LANXESS worldwide

Corporate Website en | de

Asia

  • Australia en

  • China cn | en

  • India en

  • Indonesia en

  • Japan jp

  • Korea kr

  • Malaysia en

  • Pakistan en

  • Philippines en

  • Singapore

  • Thailand en

  • Vietnam en

EMEA

  • Austria en

  • Belgium nl

  • Czech en

  • France fr

  • Hungary en

  • Italy en

  • Netherlands en

  • Poland en

  • Russia en

  • Serbia en

  • Slovakia en

  • Spain en

  • Turkey en

  • United Arab Emirates en

  • United Kingdom en

Americas

お問い合わせ

「本当の意味での『時間芸術』というのを目と耳で楽しんでもらいたい」

 

ランクセスは、才能ある若手音楽家を育成するため、世界各国で支援を行っています。ランクセスが支援する取組みの1つとして、日本においては、長野県松本市で毎年開催される「サイトウ・ キネン・フェスティバル松本」の主なプログラムの1つである「青少年のためのオペラ」を単独スポンサーとして協賛しています。

 

オペラの公演初日の後、ランクセスは指揮者である杉本 優氏にお話を伺いました。


ランクセス: 今回の小澤征爾音楽塾オーケストラとの共演についての感想をお聞かせ下さい。

 

杉本氏: 特殊なのは、今年は塾と指揮者がほとんど同じ年齢ということです。本当にみんな若者で、みんな青いというか、そんな中でいろいろあったけど、盛り上がりながら、すごい良い経験、楽しい経験が出来ました。みんなで勉強できたものを出すという、そういうことが出来たかな、と思います。

 

ランクセス: 第1回目の公演の手ごたえはいかがでしたでしょうか。

 

杉本氏: 課題もいっぱいあったんですけども、あと5回チャンスがあるのでまだまだ皆で伸び代は作っていけるかな、と思っています。

 

ランクセス: 今回、オペラの指揮をされたご感想をお聞かせください。

 

杉本氏: やっぱり目に見えて分かるのは歌手がいることですよね。歌手がいるのといないのとでは違います。特に、この「ヘンゼルとグレーテル」は、すごく素直にオペラの情景だったり話だったり、心情変化だったりが音楽に表れている。そのストーリーの邪魔をしないようにオペラをきっちり作っていくことと、物語なので同じ時点にいるわけではなく、常に動作というのは、例えば3秒後には変わっているわけですから、本当の意味での「時間芸術」というのを目と耳で楽しんでもらいたいと思います。

ランクセス: 巨匠小澤氏に師事されたことは、ご自身の音楽活動においてどのような意味を持つとお考えでしょうか?

 

杉本氏: 僕が小澤先生に教えていただけたというのは、本当に時期がありました。先生が手術をされて、演奏活動をお休みされていた時期に、ちょうど僕たちの勉強会があり、その時に小澤先生に教えて頂けるようになりました。本来演奏に向かっていただろうエネルギーを僕たちのために費やしてくださったことは、本当に貴重だし自分が幸せ者だなと思います。絶対に僕たちが日本の音楽界を引っ張っていくために、先生に教えて頂いたということは、継承というか、僕たちの指揮から小澤先生のエネルギーや思いを発揮しなくてはいけないなという責任感はすごくあります。

ランクセス: 技術というよりはそのエネルギーや思いを感じている?

 

杉本氏: 今回、2時間とか、見ていただく機会があって、そういうときに、精神論というか音楽に対して、こういう風なことを出すためにどうするか、リズムがしっかりしてないとか、そういう意味でのディテールなど、先生がベルリンフィルもウィーンフィルで若い時から指揮をされて、その長い経験で思ってらっしゃることを教えていただけるということは、それは絶対吸収してこちらから出さないといけないというのはありますよね。

 

ランクセス: 本日の公演を鑑賞した中学1年生に、演奏を通してどのようなことを伝えたいとお考えですか?

 

杉本氏: 伝えたいというか、このオペラ自体、本当はグリムが描いた原作は残酷なんですけど、音楽がすごく明るくて、明るい音楽にするためにそういうところは取り除いて道徳的なオペラになってるんです。すごく道徳的で、純粋で、素直なオペラだと思うんですよ。僕の経験から言わせてもらえば、中学1年生はちょうど反抗期をむかえる時期ですが、それでも、純粋に楽しんでもらいたいし、その純粋な気持ちを心の中でずっと持っていてくれたらなというのはあります。大人になっても純粋な気持ちってあると思うし。本当に純粋なオペラという、そういうのが伝えられるといいと思います。

 

ランクセス: ご自身のこれからの活動内容と抱負をお聞かせいただけますでしょうか。

 

杉本氏: 僕は、大学がウィーンなんですけども、ピアノ室内楽というピアノがメインの学校にいます。ピアノを通じて直接音を出すこと、指揮ではできない、音を出す作業をもっともっと勉強して、それを指揮につなげたいということが一つ。それと、まだまだじっくりと勉強をしたいなという気持ちがあります。焦りたくはない。でも嬉しいことに期待していただている人も多いので、期待されている間がチャンスですから、その期待には早く応えたい。じっくり勉強しつつも、今できることを、期待してくださっている皆さまにはちゃんと伝えようと思います。


プロフィール: 杉本 優

1990年京都生まれ。5歳よりピアノを始め、中学2年生の時に大友直人指揮京都市交響楽団と共演。

 

京都市立京都堀川音楽高校ピアノ科を卒業、卒業演奏会に出演。京都市立芸術大学に入学後、渡欧。2012年3月よりウィーン国立音楽大学ピアノ室内楽科に在籍している。これまでにピアノを椚紀子、椿久美子、福井尚子、野原みどりの各氏に師事。現在Avedis Kouyoumdjian氏に師事している。ピアノ奏者として、東京国際芸術協会新人演奏会、京都芸術祭「世界に羽ばたく若き音楽家たち」等の演奏会に出演、全日本学生音楽コンクールをはじめとする様々なコンクールに入賞、入選している。

 

指揮では、2008年からローム・ミュージックファンデーション音楽セミナー指揮者クラスに参加し、小澤征爾、湯浅勇治、三ツ石潤司各氏に師事。セミナー中、小澤征爾音楽塾オーケストラ、ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団、京都市交響楽団等を指揮。2010年8月より同セミナーの指揮研修生として小澤征爾氏のレッスンは度々受講している。2011年に指揮者としてデビュー。同年、仏、ブザンソン国際指揮者コンクールにおいて、本選の20人に選出される。2012年は、サイトウ・キネン・フェスティバル松本の子どものためのコンサート(Joel Smirnoff指揮)、青少年オペラ(十束尚宏指揮)でのアシスタントコンダクターとして同公演に携わった。

  

2008年度京都平安ライオンズクラブ奨学生。同年京都芸術祭京都新聞社賞受賞。2012年度よりローム・ミュージックファンデーションの奨学生。ウィーン在住。