ランクセスは、中国寧波市の新工場において生産されている全く新しい製造方法に基づいた新世代の酸化鉄顔料「新赤色(New Red)」をご紹介します。その新しい製造方法「寧波プロセス(Ningbo Process®)」は、技術革新における大きな躍進を象徴するもので、持続可能性と顔料の品質において特別なメリットをもたらします。
ランクセスは実績のあるバイフェロックス®(Bayferrox®)シリーズの充実化により、顔料および塗料用の赤色酸化鉄において、青みの強い色調から新たに加わった黄色みの強い色調まで、あらゆる色調を取り揃えた世界で唯一の顔料メーカーになりました。さらに、新しいプロセスでは、色空間においてこれまで得られなかった、赤色顔料の製造が可能になりました。
赤色顔料の分野を先導するランクセス
これまでランクセスでは、ラウックス法(Laux process)を用いて高品質の赤色顔料を製造していました。このプロセスはドイツのクレフェルト拠点で90年前に初めて確立されて以来、効率的で資源節約型の酸化鉄製造の優れた模範例とされてきました。しかし、より明るく黄色みを帯びた赤色の製造には限界がありました。この課題に対して私たちが出した答えは、黄色みを帯びた赤色顔料を製造するため、従来のペンニマン(Penniman)および乾式(Copperas)製造法よりも大きな利点がある全く新しいプロセスを開発することでした。このプロセスは、中国東海岸にある最先端の新しい製造工場の所在地にちなんで「寧波プロセス(Ningbo Process)」と名付けられ2016年から製造を開始しています。
新しくなった新赤色(NEW RED)
ランクセスでは、新赤色(New Red)顔料シリーズの誕生に伴い、酸化鉄をベースとする塗料、コーティングにおける対応可能な色の範囲を再設定します。従来のペンニマン(Penniman)タイプと乾式(Copperas)タイプの色空間に加え、新赤色(New Red)顔料シリーズには、現在市販されている他の酸化鉄赤色顔料よりも明度の高い赤味や黄味の顔料が含まれています。これは、革新的な寧波プロセス(Ningbo Process)技術によって可能となりました。この技術では、厳選された原料の使用、そして規定された粒子構造を持つ種及び改良された顔料合成反応により可能となる顔料生産工程管理を正確に制御することができます。