ホスゲンは、一酸化炭素(CO)と塩素(Cl₂)の熱反応により得られる極めて毒性の強い窒素性のガスで、取扱い難易度が特に高い化合物です。
ランクセスの完全出資子会社であるサルティゴは、150年以上にわたり、ドイツ・レバークーゼンの工場において、ホスゲンをはじめとする様々な高難易度プロセスを応用し、農薬、動物薬、医薬、染料・塗料、樹脂などの用途向けに、原料の 受託製造 を承っています。
CONTENTS
1.ホスゲンとは
– 主な性質
– ホスゲンの毒性
2.ホスゲンの用途
3.ホスゲン化反応から製造されるファインケミカル中間体
ホスゲンは、一酸化炭素(CO)と塩素(Cl₂)の熱反応により得られる化合物で、別名、二塩化カルボニルなどとも呼ばれる極めて毒性の強い窒素性のガスです。色は無色ですが、高純度なものほど独特の青草い臭いがあります。
ベンゼン、トルエン、クロロホルム、氷酢酸およびほとんどの炭化水素溶媒に溶けやすく、他の化学品と合成しやすいのが特徴です。
ホスゲン誘導体は、農薬・医薬品や、ポリカーボネート、ポリウレタンなどの合成樹脂の基幹原料として幅広く用いられています。
化 学 名: ホスゲン (Phosgene)
別 名: 二塩化カルボニル
カルボニルクロライド
クロロホルミル クロリド
カーボン オキシクロリド
カーボン ジクロリド オキシド
化学式: COCl²
CAS番号:75-44-5
<主な性質>
形状: 気体
色: 無色
臭い: 独特な青草臭
融点/凝固点: -128度
沸点: +8度
可燃性: 不燃性
混触危険物質: エタノール、強酸化剤、アンモニア、アミン、アルミニウム
<ホスゲンの毒性>
第一次世界大戦時に、毒ガス兵器としても使用された毒性の高いホスゲンを取り扱う際には、十分に注意を払う必要があります。
ホスゲンを吸入すると、咳、 咽頭痛、吐き気、 嘔吐などを引き起こす場合がありますので、ホスゲンが密閉された状態を保つか、十分な換気の下で取り扱う必要があります。吸入直後に症状が無い場合も、一定の潜伏期間を経て自覚症状が出てくる場合があります。また、液体化したホスゲンが皮膚に接触した場合、凍傷を引き起こす可能性がありますので、必ず保護具を着用する必要があります。
他の化学品と合成しやすい特徴をもつホスゲンは、下記のような様々な化学品の原料として使用されています。
カルボニルジイミダゾール (CDI)
<用途>
上記中間体の他、お客様のニーズに応じたホスゲン反応製品を受託製造しております。
詳細につきましては、是非お気軽にお問い合わせください。
(ホスゲン反応製品は、サルティゴビジネスユニットが担当しております)