2012-05-16
ドイツの特殊化学品メーカー、ランクセス(LANXESS)は、ベルギーのズヴェインドレヒト拠点にあるブチルゴムプラントの製造体制を強化することを発表しました。同拠点に大規模な投資を行い、既存プラントの製造能力増強および、ブチルゴム製造技術開発のための2つの新パイロットプラントを建設しました。ランクセスは、タイヤの生産に多く使用されるブチルゴムの世界有数のメーカーです。ズヴェインドレヒト拠点で主に製造されているブチルゴムは、プレミアム品質のハロブチルゴムです。
5月3日にズヴェインドレヒト拠点で行われた新プラントの開設式典でランクセスのCEOであるアクセルC.ハイトマンは、次のように述べています。「ここズヴェインドレヒト拠点におけるブチルゴム製造がランクセスのグローバル戦略に重要な役割を担っていることを、この投資が裏付けています。ランクセスの持続的な成長戦略は、世界的なメガトレンド、特に持続可能な車社会化へのソリューションに貢献する革新と技術に基づいています」
ブチルゴムは、チューブレスタイヤの最内部の空気および湿気不透過性ライナーであるタイヤ用インナーライナーに使用されます。このインナーライナーは、長期間にわたりタイヤ圧力を一定に保ちます。これにより、自動車の安全性と燃費効率の向上が可能になり、さらには有害物質の放出が低減できます。またブチルゴムは、より優れたグリップ力と走行中の快適性を実現するタイヤトレッドにも使用されています。特殊用途としては、防護服、医薬用ゴム栓などが挙げられます。また、ブチルゴムの興味深いニッチ市場の一例にチューインガムがあります。
製造能力増強で、高まる世界的需要に対応
2,000万ユーロを投じた既存プラントの製造能力増強により、ズヴェインドレヒト拠点のブチルゴムの年間製造能力は10%増の15万トンになりました。この増強は、予定よりも数カ月早い2011年末に完了しました。
ランクセスのブチルゴムビジネスユニットの責任者であるロン・コマンダーは、次のように述べています。「今後10年間で、ブチルゴムの需要はさらに伸びると予測されます。ここズヴェインドレヒト拠点で増強した製造量とシンガポールに新設中の製造拠点の製造量は、完全に市場で消費されるでしょう」
ズヴェインドレヒト拠点の製造能力増強に加えて、ランクセスはシンガポールのジュロン島で年間10万トンの製造能力を持つブチルゴムプラントを新設中です。ランクセス設立以来、単独投資として最大規模を誇る、最も近代的な同プラントは、2013年度第1四半期に稼働を開始予定です。ランクセスは、カナダのサーニアにも年間製造能力15万トンのブチルゴムプラントを有しています。
より燃費効率の高い新技術
ズヴェインドレヒト拠点の新パイロットプラントは、革新的な製造技術の試験用に建設されました。ブチルゴムの製造工程は非常に複雑で、−95℃から200℃にわたる温度下でのさまざまな工程段階が必要です。ハイトマンは次のように述べています。「合成ゴムの世界市場の技術リーダーとして、ランクセスは継続して技術革新を推進していきます。これらのパイロットプラントでは、ランクセスが開発する新しい製造プロセスの大規模な試験稼動を行ないます。この新技術により、より少ない資源での製造を行い、より省エネルギーかつ環境への負荷低減を目指します」
ベルギーにおけるランクセス
世界規模の4プラントと従業員1,400人以上を擁するベルギーは、ランクセスグループ内で2番目の製造量を誇ります。ブチルゴムプラントの他に、ランクセスは高性能プラスチックの製造時に中間体として使用されるカプロラクタムとガラス繊維、そしてゴム薬品をアントワープ拠点で製造しています。
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これは、ドイツ・レバクーゼンで5月3日に発表されたリリースをもとに、ランクセス株式会社が発表したものです。
この原文(英語)は、以下のURLにてご参照下さい。 http://www.press.lanxess.com
ランクセスについて:
ランクセスは、世界30カ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカーです。2011年の総売上は88億ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約 16,700人、世界中に48の拠点を展開しています。主な事業は、プラスチック、合成ゴム、中間体、特殊化学品の開発、製造とマーケティングです。ランクセスは、持続可能性に優れた企業を選定する「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ワールド・インデックス(DJSI World)」および「FTSE4Good」の構成銘柄です。ランクセスについての詳細は同社URLにてご確認下さい。www.lanxess.co.jp
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