2012-03-26
記録を再度更新し、さらなる成長へ
ドイツの特殊化学品メーカーのランクセス(LANXESS)は、2011年度第4四半期と通年の業績を発表しました。当社は2011年も引き続き成長軌道をまい進し、記録的な売上高および利益を達成しました。グループの「販売量よりも価格を優先する」戦略、数々の買収の成功、そして新興国市場への注力が功を奏し、2011年度通年の連結売上高は、前年比23%増の87億7,500万ユーロを達成しました。特別項目調整前EBITDAは、25%増の11億4,600万ユーロとなり、ランクセス設立以来、初めて10億ユーロを突破しました。特別項目調整前EBITDAマージン*2は、13.1%(2010年:12.9%)となりました。純利益は前年比約34%増の5億600万ユーロとなり、売上高および特別項目調整前EBITDAの増加率に比べても純利益の増加率は目覚ましいものとなりました。
ランクセスのCEOであるアクセル・ハイトマンは3月22日に開催した年次記者会見の席で次のように述べています。「昨年の記録的な業績に続いて、2012年も好スタートをきりました。これを踏まえて、2012年度第1四半期の特別項目調整前EBITDAは、3億3,000万ユーロから3億5,000万ユーロを見込んでいます。これは、前年同期の記録的な業績を上回るものです。ランクセスは、世界のメガトレンド、特に車社会化(モビリティ)をサポートする革新と技術を基盤に、持続可能なモビリティを可能にするソリューションに注力し、さらなる成長を目指します」
2011年には、ランクセスの「グリーンモビリティ」に関連する製品および技術は、総売上高の約17%となる約15億ユーロを占めています。「2015年までに現在の数字を80%増の約27億ユーロに引き上げたいと考えています」と、ハイトマンは述べています。
2011年度第4四半期:堅調に推移
2011年度第4四半期売上高は、目覚ましい業績を達成した前年同期を上回る、16%増の21億2,300万ユーロとなりました。特別項目調整前EBITDAは、前年同期(1億7,200万ユーロ)より微増の1億7,400万ユーロとなりました。
特別項目調整前EBITDAマージンは、合成ゴム製造施設でのメンテナンスによる閉鎖、原料価格変動に伴う在庫評価減3,500万ユーロ、顧客の在庫調整などが影響し、8.2%と前年同期(9.4%)より微減となりました。パフォーマンスポリマーズ部門は、部門別の特別項目調整前EBITDAにおいて、最大の増加率を記録しました。一方、サルティゴビジネスユニットの医薬品事業再編に伴う約2,000万ユーロの特別損失、および通常の季節変動の影響により同四半期の純利益は500万ユーロ(前年同期:2,600万ユーロ)となりました。
地域別業績:新興国市場の活況
2011年の全地域の売上高は2桁台の増加率を達成しました。
中南米地域の売上高は、前年比26%増の12億ユーロとなり、最大の成長率を達成した地域となりました。ランクセスグループの総売上高に占める同地域の割合は増加し、約14%となりました。ブラジルにおけるパフォーマンスポリマーズ部門が主な牽引役となりました。
アジア太平洋地域の売上高は、前年比23%増となり、初めて20億ユーロ超となりました。同地域はランクセスグループの総売上高の約23%を占めています。同地域においてもパフォーマンスポリマーズ部門が最大の成長率を達成しました。
EMEA(ドイツを除く欧州、中東、アフリカ)地域の売上高は、前年比25%増の25億ユーロを達成し、引き続きグループ最大の売上高を誇る地域となりました。前年同様、同地域はグループの総売上高の約29%を占めています。パフォーマンスポリマーズ部門とアドバンスト中間体部門が主な牽引役となりました。
北米地域の売上高は、前年比24%増の15億ユーロで、グループの総売上高の約16%を占めています。同地域のパフォーマンスポリマーズ部門の売上高は前年比約40%の増加となりました。
ドイツの売上高は、前年比19%増の16億ユーロで、グループの総売上高の18%を占めています。同地域のパフォーマンスポリマーズ部門は2桁台の成長率を達成し、パフォーマンスケミカルズ部門とアドバンスト中間体部門は、1桁台後半の成長率を示しました。
BRICS諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の売上高は、前年比28%増の21億ユーロとなり、グループの総売上高の24%(2010年:23%)を占めています。
事業分野別の業績:メガトレンドが全部門を牽引
パフォーマンスポリマーズ部門は、前年比37%増の約51億ユーロを達成し、部門別売上高において最大となりました。ブチルラバーとパフォーマンスブタジエンラバーズの両ビジネスユニットがOEMおよびタイヤ買い替え市場の旺盛な需要から恩恵を受けました。自動車メーカーからの需要増加を受け、テクニカルラバープロダクツとセミクリスタリンプロダクツの両ビジネスユニットの売上高も増加しました。テクニカルラバープロダクツビジネスユニットは、EPDM事業(「ケルタン(Keltan®)」)の買収が貢献し、ビジネスユニット別で最大の成長率を達成しました。本部門の特別項目調整前EBITDAは、前年比40%増の7億6,800万ユーロとなりました。
アドバンスト中間体部門の売上高は、主に農薬の旺盛な需要が継続し、前年比9.5%増の15億ユーロとなりました。サルティゴビジネスユニットは、殺菌剤中間体の販売量が増加する一方で、医薬中間体の販売量が減少しました。特別項目調整前EBITDAは、前年比約2%増の2億6,400万ユーロとなりました。
パフォーマンスケミカルズ部門の売上高は、前年比7.7%増の21億ユーロとなりました。自動車関連産業向けの売上高の大半を占めるゴム薬品とラインケミーの両ビジネスユニットの販売量が大幅に増加しました。年末に向けて建設業界からの注文が減少したため、無機顔料ビジネスユニットの売上高は減少しました。本部門の特別項目調整前EBITDAは、3%増の2億8,900万ユーロとなりました。
強固な財務基盤
好業績とそれに伴う健全な営業活動からのキャッシュフローおよび堅固な財務基盤の結果、2011年は、ランクセスは成長戦略を順調に推進することが出来ました。設備投資によるキャッシュアウトは、前年比36%増の6億7,900万ユーロ(2010年:5億100万ユーロ)となりました。研究開発費用は、約24%増の1億4,400万ユーロとなりました。
2012年の設備投資のキャッシュアウトは、約6億ユーロを見込んでいます。研究開発予算は、前年比40%増となります。
2011年の営業活動によるキャッシュフローは、順調に推移しました。運転資本が増加したにもかかわらず、営業活動によるキャッシュフローは、4億3,000万ユーロから6億7,200万ユーロに増加しました。一方、純金融負債は、9億1,300万ユーロから15億1,500万ユーロに増加しました。
ランクセスのCFOであるベルンハルト・デュットマンは次のように述べています。「数々の買収と設備投資の増額がこの負債の増加の主な要因となっています」。しかし、特別項目調整前EBITDAに対する純負債率は、1.0から1.3に微増するにとどまりました。「この数字は、ランクセスが健全な財政管理を維持していることをあらわしています」
配当増額を提案
ハイトマンは次のように述べています。「2011年の好業績を反映し、前年比21%増の1株あたり0.85ユーロを提案します」この場合、配当総額は7,100万ユーロとなります。この提案は、2012年5月15日にケルンで開催される年次株主総会での承認を必要とします。
世界の従業員数が増加
2011年末時点におけるランクセスの世界の従業員数は、前年比12%増の16,390名となりました。この増加は主に、数々の買収および成長戦略に伴う新規採用によるものです。研究開発部門だけで200名以上の増加となり、その大半がドイツでの採用となりました。現在、ランクセスの世界中の化学者およびエンジニアは、730名を越えています。
今後の見通し:有望な2012年
2012年は有望なスタートをきり、さらに成長を期待できる年と確信しています。特に新興国市場において堅調な成長が見込まれます。メガトレンドのモビリティの重要性がますます高まっています。ランクセスは、農薬のエンドユーザー市場の堅調な成長が継続し、建設業界においても緩やかな回復基調にあると予測しています。
しかし、高水準の公的債務、不安定な為替変動、変動する原料価格、一部の欧州の顧客の慎重な注文などの不透明さは残ります。ランクセスは、2012年5月9日に行われる第1四半期業績レポート報告の際、例年通り、本年度の見通しの詳細に関して発表します。
パフォーマンスポリマーズ部門は、2012年もエコタイヤの旺盛な需要から再び恩恵を受けると予測しています。今年11月にEUで導入されるタイヤラベリング制度がこの需要を後押しするでしょう。また、大幅な車両軽量化への傾向がさらに加速することを考慮すると、ランクセスは高性能プラスチック分野でさらなる成長の機会があると考えています。
アドバンスト中間体部門では、2012年も全体的に堅調な需要(特に農薬分野)が期待できると予測しています。パフォーマンスケミカルズ部門は、欧州と米国の建設業界における緩やかな回復と自動車産業の安定した需要の継続から恩恵を受けると見ています。
2012年に能力増強中の施設が稼動し、3部門の成長に貢献します。ハイトマンは次のように述べています。「ランクセスは、さらなる成長軌道上にあります。ランクセスの中期利益目標とする『2015年の特別項目調整前EBITDA 14億ユーロ達成』に向けて尽力していきます」
主要データ(単位:100万ユーロ)
| 2011年度 通年 | 2010年度 通年 | 変動率(%) | 2011年度 第4四半期 | 2010年度 第4四半期 | 変動率(%) |
売上高 | 8,775 | 7,120 | +23.2 | 2,123 | 1,832 | +15.9 |
特別項目調整前EBITDA | 1,146 | 918 | +24.8 | 174 | 172 | +1.2 |
特別項目調整前EBITDAマージン | 13.1% | 12.9% |
| 8.2% | 9.4% |
|
純利益 | 506 | 379 | +33.5 | 5 | 26 | (80.8) |
1株あたり利益(€) | 6.08 | 4.56 | +33.5 | 0.06 | 0.32 | (80.8) |
*1 EBITDAは、税引前利益に、減価償却費、および支払利息を加算した金額です。
*2 EBITDAマージンは、売上高に対するEBITDAの比率です。
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これは、ドイツ・レバクーゼンで3月22日に発表されたリリースをもとに、ランクセス株式会社が発表したものです。
この原文(英語)は、以下のURLにてご参照下さい。 http://www.press.lanxess.com
ランクセスについて:
ランクセスは、世界30カ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカーです。2011年の総売上は88億ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約 16,500人、世界中に48の拠点を展開しています。主な事業は、プラスチック、合成ゴム、中間体、特殊化学品の開発、製造とマーケティングです。ランクセスは、持続可能性に優れた企業を選定する「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ワールド・インデックス(DJSI World)」および「FTSE4Good」の構成銘柄です。ランクセスについての詳細は同社URLにてご確認下さい。www.lanxess.co.jp
免責について (Forward-Looking Statements):
このニュースリリースには、ランクセス経営陣による現在の仮定と今後の予測に基づく記述があります。既知あるいは未知の各種リスクや不確定性、その他の要素により、本頁に記載された予測と弊社の今後の総合売上高、財務状況、業績の数字が異なる場合があります。弊社は、ニュースリリースの記載事項を更新、もしくは今後の出来事や進展状況に合わせ、内容を変更する義務はないものとします。
その他の情報:
ランクセスのニュースリリースは www.lanxess.co.jp の”プレスリリース”項目よりご覧ください。また、役員およびその他の写真は photos.lanxess.com (英語)より入手いただけます。ランクセスの動画および音声、ポッドキャストについては下記をご覧ください。corporate.lanxess.com/en/media/audio-video/ (英語)ランクセスのウェブマガジンは下記でご覧いただけます。
(2012-00033J)