ランクセス、中国・上海で顔料シンポジウムを開催

合成酸化鉄顔料の世界有数のメーカーであるランクセス（LANXESS）は、2015年11月19日、中国・上海において「第2回ランクセス顔料シンポジウム」を開催しました。今回のテーマは「移行段階にある世界の顔料業界 – 課題を持続可能な価値創造に転換」で、ランクセスの無機顔料ビジネスユニット（IPG）は世界の専門家とユーザーに対して、顔料業界の動向と今後の課題について知識を深める機会を再び提供しました。

 

本シンポジウムでは、中国で継続的に実施される環境規制の改革、顔料業界でグローバルレベルに同時進行する統合・再編、さらには塗料・塗装業界が直面する新たな課題などについて活発な議論が行われました。参加者は、ランクセスのお客様、販売パートナー、政府機関の代表者、専門機関、報道関係者など、世界各国から150名を超えました。

 

中国は、無機酸化鉄顔料の世界最大の市場であるだけでなく、最大の生産拠点でもあります。同国の経済は再編段階にあり、顔料業界にも大きな影響を与えています。ランクセスのアジア・太平洋地域の顔料ビジネスの責任者であるラファエル・ズーハンは、同シンポジウムにおいて次のように述べています。「環境規制の厳格化によって、多くの中国メーカーは製造プラントの閉鎖を余儀なくされています。しかしながら、無機顔料の世界的な需要は、一時的に一定の地域では低迷しているものの、都市化などの要因で増加しています。この動向は、世界の塗料・塗装業界に広範囲にわたって影響を与えています」

 

中国当局の代表者らは、顔料業界における統合・再編が継続して行われることで意見が一致しています。中国の第13次5カ年計画、そしてこの計画が塗料・塗装業界に及ぼす影響から、厳格化された環境規制に準拠できる酸化鉄顔料メーカーだけが中国で順調に事業展開できるのは明白です。国家の発展概念として、環境汚染を大幅に削減することによって、2020年までに生活の質を根本的に向上することを明確に定義しています。これは、顔料業界にとって広範囲のリスクアセスメントと再検討に基づき、全ての顔料製造プラントが例外なく高い環境基準に準拠するよう義務づけられることを意味します。

 

政府代表者らは、さらに中国の新環境規制の影響について議論しました。新規制に準拠していない企業には、厳しい処罰が下されます。2014年だけでも、公害罪で起訴された件数は前年比で3倍に上ります。さらに、新規制の結果として、年間製造量1万トン以下の顔料メーカーの数は減少し続けるでしょう。政府は、さらなる産業統合化の促進を目標とし、結果として中国市場には持続性ある製造施設を備え、増強された製造能力を持つ酸化鉄顔料メーカー数社だけが残ることになります。

 

ランクセスの無機顔料ビジネスユニットの責任者であるヨーク・ヘルヴィッグは、技術の高度化と最適化された製造プロセスが、この目標達成において非常に重要となると強調しました。 「中国において長期的成功を目指すビジネスモデルは、投資、技術の専門知識、新しいプロセスソリューションが不可欠であることは疑う余地はありません。つまり、私たちの業界の発展に関してもそれらが必須であるということです」 寧波拠点で導入される新プロセスの例を挙げながら、これらの必須事項をどのように実施できるかをヘルヴィッグは説明しました。同拠点で使用されるこのプロセスは、特に、環境適合性の高い赤色顔料の製造のためにランクセスが設計しました。現在、中国で一般的に使用されている標準のペニマンレッド製造技術とは異なり、この新しい技術は、排ガス排出量を大幅に低減するだけでなく、プロセス水の効果的な処理システムを実現します。これは、生物学的脱窒素、限外ろ過、および逆浸透を使用することで、ほぼ全ての排水を工程に再利用できるため非常に効果的です。

 

BASF SE社の無機顔料グローバル調達担当のディレクターであるノベルト・マールは、「ランクセス顔料シンポジウム」において、持続的な調達管理が経済と環境保護の融合にいかに貢献するかを説明しました。 「調達における持続性とは、経済的要素だけでなく、環境保護、社会的責任、政府規制の順守といった重要な側面、そして場合によってはサプライヤーと改善を目指した協力も意味するのです」 従って、BASF社では、「サステナビリティのための協力（TfS）」プログラムにおいて、ランクセスなど他の企業との連携を行っています。この取り組みによって、物品およびサービスの責任ある調達、そしてサプライヤーの環境的基準と社会的基準の向上を図るという世界的なプログラム開発を目指しています。

 

また、本シンポジウムの最後には、ハロルドショルツ社（顔料販売代理店）のゼネラルマネジャーであるデニス・ショルツ氏、 ショフ アソシエイツ（会計事務所）の クリフォード・ ショフ氏、HCA コンサルティングチャイナのゼネラルマネジャーであるハオ・リ氏、 ボストンコンサルティンググループのプロジェクトマネジャーであるクリスチャン・ ヴォルフルム氏が、塗料業界の市場発展動向、課題、革新、メガトレンドについて議論しました。

 

2013年に開催された第1回のシンポジウムに続き、今回のシンポジウムも、ハイレベルな科学知識の交換の場となり、参加者に業界および多様な分野の専門家らとの交流の機会を提供しました。ヘルヴィッグは、「参加者や講演者から大変好評を頂きましたので、このシンポジウムを定期的に開催したいと考えています」と述べ、次回の「ランクセス顔料シンポジウム」を2017年に北米で開催する予定であると発表しました。

 

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これは、ドイツ・ケルンで12月2日に発表されたリリースをもとに、ランクセス株式会社が発表したものです。
この原文（英語）は、以下のURLにてご参照下さい。 http://www.press.lanxess.com

ランクセスについて：
ランクセスは、世界29カ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカーです。2014年の総売上は80億ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約 16,300人、世界中に52の拠点を展開しています。主な事業は、プラスチック、合成ゴム、中間体、特殊化学品の開発、製造とマーケティングです。ランクセスは、持続可能性に優れた企業を選定する「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス」のワールド・インデックス（DJSI World）および「FTSE4Good」の構成銘柄です。
ランクセスについての詳細は同社URLにてご確認下さい。
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TEL : 03-5293-8005　FAX : 03-5219-9773
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