2022-03-22
ドイツの特殊化学品メーカー、ランクセス(LANXESS)は、同社の金属選択回収用イオン交換樹脂の製品群に、リチウム塩溶液の精製に適した「レバチット®(Lewatit®) TP 308」を追加したと発表しました。ランクセスの液体高純化テクノロジーズビジネスユニットのテクニカルマーケティングマネージャーであるディルク・シュタインヒルバーは次のように述べています。「この精製プロセスは、リチウム電池およびリチウムイオン二次電池の製造に必要な超高純度リチウム塩を生成する上で重要な役割を果たします」
経済的に優れた希釈リチウム塩水の軟化
沈殿操作を中心とした従来のリチウム塩水の最終研磨方法と比較して、イオン交換樹脂を使用することにより、より多くの利点を得ることができます。シュタインヒルバーは次のように述べています。「カルシウム除去にイオン交換プロセスを導入することで、時間と費用の両方を大幅に削減できます」
この度、新しく発表されたマクロポーラス型の「レバチット TP 308」は、特にアルカリ、アルカリ土類および重金属を含む低濃度リチウム塩溶液(cLi < 2 g/l)を、リットルあたり100 mgから数グラムまでの比較的高い濃度で処理するために開発されました。このような溶液は、例えば、一次吸着剤からの脱着に続く地熱塩水の処理中に生じます。
この溶液からカルシウムなどの多価イオンを除去する工程は、漏れが少なく、優れた交換速度による高い流速で、非常に効率的に行われます。また、樹脂床全体の圧力降下もわずかです。ラボ試験において、「レバチット TP 308」は様々な他社製品と比較して優れた性能を示しています。
「レバチット TP 308」の特に優れた特徴は、総容量が4.3 eq/l(リットルあたりの当量)を超えることです。これは、標準的な樹脂よりも耐用年数が長いことを意味し、したがって再生段階間の間隔が長くなります。その結果、再生化学物質や水の使用の必要性が減少します。これにより、システムの可用性が全体的に向上し、運用コストが削減されます。シュタインヒルバーは次のように述べています。「樹脂に特殊なポリマー構造を採用することで、頻繁に再生する場合でも長寿命が保証され、経済的にも非常に魅力的なプロセスになります」
リチウム濃度の異なるオーダーメイドの樹脂
ランクセスはまた、濃縮リチウム塩溶液を精製するためのイオン交換樹脂をオーダーメイドで提供しており、「レバチット TP 308」の用途を拡大しています。
「レバチットモノプラス TP 208」および「レバチットモノプラス TP 260」均一粒径樹脂は、典型的なリチウム含有量10 g/lの塩水から二価イオンのカルシウム、マグネシウム、ストロンチウムおよびバリウムを1から100 mg/lの濃度範囲で除去する際に使用します。キレート化イミノ二酢酸(IDA)基を有する樹脂である「レバチットモノプラス TP 208」は、塩化リチウム、水酸化リチウムおよび硫酸リチウム溶液に最も適しています。
ランクセスは、このモノプラス製品群の均一粒径樹脂タイプに加えて、両樹脂の均一小粒径(MDS)タイプを提供しています。これはポリマービーズの直径が標準タイプ(0.6~0.7 mm)よりも小さく、約0.4 mmとなっています。比表面積が大きいため、MDS樹脂は交換速度がより速く、使用可能容量は大幅に高くなっています。また、浸透圧的にも機械的にもより安定しています。
これらの製品は不純物をほぼ完全に除去することができます。例えば、10 ppmのカルシウムを含有する塩化リチウムおよび塩化ナトリウムの濃縮溶液中では、「レバチット MDS TP 208」による処理後にppb範囲のごく微量のカルシウムしか残存しません。
このようにして得られた超高純度リチウム塩溶液は、高価な膜を堆積物や妨害物の形成から保護する必要がある、塩素アルカリ電解によるLiOHの直接製造に不可欠です。
詳細については、www.lewatit.comを参照してください。
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これは、ドイツ・ケルンおよびミュンヘンで3月14日に発表されたリリースをもとに、ランクセス株式会社が発表したものです。
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(2022-0314)