2023-11-15
長引く需要の低迷が業績に影響
ドイツの特殊化学品メーカー、ランクセス(LANXESS)は、2023年第3四半期の業績を発表しました。長引く世界経済の低迷を受け、売上高は前年同期比26.7%減の16億100万ユーロ(前年同期:21億8,500万ユーロ)となりました。特別項目を除いたEBITDAは、2億4,000万ユーロから50.4%減の1億1,900万ユーロとなりました。
この度の業績の背景には、ほぼすべての業界の需要低迷および顧客の継続的な在庫削減が挙げられます。これに伴う販売量の減少や(稼働率低下などによる)遊休コストの上昇により、特にスペシャリティアディティブスおよびアドバンスト中間体部門の収益が減少しました。コンシューマープロテクション部門は比較的緩やかな減益にとどまりました。
グループの特別項目を除いたEBITDAマージンは、前年同期を下回る7.4%(前年同期:11.0%)でした。第3四半期の純利益は-1億3,100万ユーロと、前年同期の8,000万ユーロから減少しました。
「世界的な化学業界の需要低迷が続き、年内は回復の兆候が見られません。さらに、第4四半期もおいても需要は予想よりも弱い状況が続いています」と、ランクセスの経営委員会メンバー兼CEOであるマティアス・ツァハトは述べています。
ランクセスは11月6日に、第4四半期の出足が想定以上に弱い状況を受け、2023年度通期の特別項目を除くEBITDAが、5億ユーロから5億5,000万ユーロの間となるとの見通しを発表しています。前回(同年6月)の予測では、通期における特別項目を除くEBITDAは6億から6億5000万ユーロを見込んでいました。
この度の見直しは、農業業界の在庫調整が開始されたこと、フレーバー&フレグランスビジネスユニットの生産拠点であるボトレック(NL)拠点においてサプライヤー関連による生産制限により、さらに影響を受けています。
減配とウレタンシステムズ売却方針の決定
業績の低迷を受けて、経営委員会は2023年通期の配当を0.10ユーロに減額することを提案する予定です。これにより、資金流出を回避し、純有利子負債を削減します。また、ウレタンシステムズ・ビジネスユニットの売却方針が決定され、具体的なアクションが開始されます。今後、売却が実施された際に想定される収益からの貢献も見込まれます。
ランクセスに残る最後のポリマー事業であるウレタンシステムズ・ビジネスユニットは、近年進めてきたポートフォリオ再編の結果として、現在のランクセスグループの戦略的方向性には合致しないと判断されました。同ビジネスユニットは世界に6つの生産拠点を持ち、約400人の従業員を擁しています。
負債の削減
第3四半期において、ランクセスの純有利子負債は、2023年6月30日時点の28億6,300万ユーロからさらに11%削減され、25億5,700万ユーロとなりました。この減少は主に、純運転資本の一貫した削減によるものです。2022年12月31日の貸借対照表日の38億1,400万ユーロと比較すると、純有利子負債は33%減少しました。
「FORWARD!」アクションプラン
ランクセスは、「FORWARD!」アクションプランの実行を本格化し、化学産業における経済成長低迷の局面を打開していきます。コスト削減および投資削減により、2023年は約1億ユーロの一時的な削減を実現します。 また、ランクセスグループはさらに効率性を向上させ、2025年以降は永続的に年間コストを約1億5,000万ユーロ削減する組織再編を行います。 今回の再編には870人の人員削減が含まれており、そのうち460人はドイツでの削減となります。
ドイツでの人員削減は主に管理部門で行われ、これはドイツ国内の組織を合理化し、財政状況に適応させることを目的とします。人員削減は、特にケルン、レバークーゼン、ユルディンゲン、マンハイムの拠点に影響し、欠員補充の見送り、自然離職、早期退職などにより実施されます。
事業部門:ほぼすべての産業で需要が低迷
コンシューマープロテクション部門の売上高は、6億6,200万ユーロから5億8,100万ユーロに12.2%減少しました。特別項目を除いたEBITDAは8,400万ユーロに達し、前年の1億1,000万ユーロから23.6%減少しました。生産量の減少、設備稼働率の低下、為替レートの変化が、収益と利益率に影響を及ぼしました。特別項目を除いたEBITDAマージンは14.5%(前年:16.6%)となりました。
スペシャリティアディティブス部門では、建設、電子、自動車業界の需要減により減収となりました。航空産業からの需要は比較的安定して推移しました。第3四半期の売上高は、前年同期の7億9,200万ユーロから30.7%減の5億4,900万ユーロとなりました。需要の低迷と自社在庫の減少により設備稼働率が低下し、収益に悪影響を及ぼしました。特別項目を除いたEBITDAは、前期同期比で72.7%減少し、3,300万ユーロ(前年同期:1億2,100万ユーロ)となりました。特別項目を除いたEBITDAマージンは、前年同期を下回る6.0%(前年:15.3%)でした。
アドバンスト中間体部門では、特に建設業界の需要減退と販売価格の下落が、業績に影響を及ぼしました。第3四半期の売上高は4億300万ユーロで、前年同期の6億4,200万ユーロから37.2%減少しました。特別項目を除いたEBITDAは3,000万ユーロで、主に設備稼働率の低迷が影響し、前年の6,500万ユーロから53.8%減少しました。特別項目を除いたEBITDAマージンは、前年同期を下回る7.4%(前年:10.1%)でした。
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これは、ドイツ・ケルンで11月8日に発表されたリリースをもとに、ランクセス株式会社が発表したものです。
この原文(英語)は、以下のURLにてご参照下さい。 http://www.press.lanxess.com
ランクセスについて:
ランクセスは、世界 32 カ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカーです。2022 年の総売上は81 億ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約 13,000 人です。主な事業は、中間体、添加剤、コンシューマープロテクション製品の開発、製造とマーケティングです。ランクセスは、持続可能性に優れた企業を選定する「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス」のワールド・インデックス(DJSI World)及びヨーロッパ・インデックス(DJSI Europe)の構成銘柄です。
ランクセスについての詳細は同社 URL にてご確認下さい。
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(2023-1108J)