2010-03-25
ドイツの特殊化学品メーカーのランクセス(LANXESS)は、2009 年度第4 四半期と通年の業績を発表しました。第4 四半期の好調な業績に続き2010 年度は期待できる年と予測しています。この前向きな見通しは、アジア太平洋地域で継続する堅調な伸びと、グループ一丸となった経済危機対策プロジェクト「チャレンジ09−12」がもたらした経費削減によるものです。
ランクセスのCEO であるアクセル・ハイトマンは、ケルン(ドイツ)での2009 年度業績発表で次のように述べています。「経済の自立的回復軌道の兆候はまだ見られませんが、ランクセスは前年比で大幅な収益の回復を見込んでいます」
2009 年度、ランクセスは予測に違わず世界的な景気低迷により大きな打撃を受けました。連結売上高は、世界的な需要低迷のため、前年比23.1%減の50 億5,700 万ユーロとなりました。特別項目調整前EBITDA は4 億6,500 万ユーロとなり、修正後業績予測範囲(4 億5,000 万ユーロから4 億7,000 万ユーロ)の上限に近い結果となりました。2008 年度には特別項目調整前EBITDA は7 億2,200 万ユーロを達成しています。通年の特別項目調整前EBITDA マージンは、9.2%(2008 年度:11.0%)となり、純利益は4,000 万ユーロ(2008 年度:1 億8,300 万ユーロ)となりました。2009 年度は、「チャレンジ09−12」プロジェクトの実施によりグループ全体で約1 億7,000 万ユーロの経費削減を達成しました。「この業績は、ランクセスが経済危機の一年を無事乗り越えたことを示しています。」と、ハイトマンは述べています。
2009 年第4 四半期の業績
第 4 四半期は、ランクセスの通常の季節的傾向に反したものとなりました。今年度末の数週間、アジアにおける堅調な伸びと、欧州および北米のスタッドレスタイヤの強い需要が特にゴム事業を支えました。第4 四半期の連結売上高は、13 億9,200 万ユーロを達成し、第3 四半期の13 億7,300 万ユーロより微増となりましたが、前年同期比では4.8%減となりました。第4 四半期の特別項目調整前EBITDA は、1 億4,400 万ユーロを達成し、第3 四半期より微増となり、金融危機の影響を受けた前年同期の8,700 万ユーロを大幅に上回りました。純利益は1,400 万ユーロとなり、第3 四半期は2,300 万ユーロ、前年同期は純損失3,200 万ユーロでした。
地域別の業績
アジア太平洋地域の売上高は、前年比1.3%減の11 億4,100 万ユーロとなり、2009 年度の業績に安定をもたらす主要因となりました。これは、ランクセスの総売上高の22.6%(前年:17.6%)を占めます。アジアにおいて新しい成長の機会を組織的に捉える戦略が功を奏したと言えます。
ランクセスにとってアジア太平洋地域は、EMEA(ドイツを除いた欧州、中東、アフリカ)地域に続く最重要地域です。EMEA 地域は、前年比29.3%減の15 億5,700 万ユーロとなり、ランクセスの総売上高の30.8%を占めます。ドイツにおいては、前年比25.2%減の10 億6,300 万ユーロとなり、ランクセスの総売上高の21.0%を占めます。北米地域の売上高は、前年比27.3%減の7 億8,100 万ユーロとなり、ランクセスの総売上高の15.4%を占めます。中南米地域の売上高は、前年比28.9%減の5 億1,500 万ユーロとなり、ランクセスの総売上高の10.2%を占めます。
BRICs 諸国に注力するランクセスの成長戦略は成果をもたらしています。ブラジル、ロシア、インド、中国の売上高は、合計10 億1,800 万ユーロを達成し、ランクセスの2009 年度の総売上高の20.1%(前年:16.1%)を占めています。
事業分野別の業績
パフォーマンスポリマーズ部門:世界的な経済危機により売上高が急激に減少しましたが、下半期のアジアにおける需要の好転が減少を緩和し、前年比27.2%減の23 億8,800 万ユーロとなりました。特別項目調整前EBITDA は、39.5%減の2 億5,000 万ユーロとなりましたが、特別項
目調整前EBITA マージンは、10.5%と2 桁台にとどまりました。
アドバンスト中間体部門:売上高は前年比15.7%減の11 億400 万ユーロとなりました。農薬分野は年間を通じて安定しており、同部門の業績の基盤となりました。自動車関連および医薬品業界の顧客への売上は、微減となりました。特別項目調整前EBITDA は、前年比17.2%減の1 億
5,400 万ユーロ、特別項目調整前EBITDA マージンは、前年とほぼ横ばいの13.9%となりました。
債務の減少
純債務は、7 億9,400 万ユーロ(2008 年末:8 億6,400 万ユーロ)まで大幅に減少しました。この減少は運転資本の徹底した管理、投資方針の厳格な適用、営業活動によるキャッシュフローが14.8%増の5 億6,500 万ユーロと大幅に増加したためです。ランクセスのCFO であるマティアス・ツァハトは次のように述べています。「主要指標から、ランクセスはこの危機を順調に乗り越え
たことがわかります。」ランクセスは年度末時点で20 億ユーロ(前年:17 億ユーロ)を上回る流動性を確保しました。
前年と同レベルの配当提案
2009 年度の厳しい情勢にも関わらず、前年と同レベルの配当を維持する予定です。経営委員会メンバーと監査役委員会は、2010 年5 月28 日に開催される年次株主総会において1 株0.50
ユーロ(前年比同)、総額約4,200 万ユーロの配当提案をします。
今後の見通し
2010 年の動向は、地域でばらつきを示す経済展望を予測しています。アジアは最も顕著な進展を見せるでしょう。主に中国、インドでは、特にゴム市場において、再び目覚ましい成長が期待さ
れます。中南米地域、そして特にブラジルの経済情勢も好転するとみています。しかし、北米、欧
州では、引き続き経済動向の不確実性が根強く残ります。
2010 年は、原料コストが再び高騰すると予測されます。原料価格の急激な下落後、2009 年第2四半期に投入原価が再び上昇し始めました。この傾向は2010 年初頭も継続しています。従ってランクセスは、「販売量よりも価格を優先する」戦略を引き続き推進します。
地域格差はありますが、緩やかな回復が継続し、季節的な収益傾向も通常に戻ると予測しています。ハイトマンは次のように述べています。「2009 年第4 四半期の業績および新年度の好スター
トは、ランクセスの業績回復に大きく寄与するものと確信しています。」ランクセスは、引き続き経済動向のリスクに鑑み、「チャレンジ09-12」の組織的な実施を継続します。「チャレンジ09-12」は、
利益動向を支えるため、世界的に取り組む経費削減対策プロジェクトです。2010 年には、1 億4,000 万ユーロの経費削減を見込んでいます。
主要データ
(単位:百万ユーロ)前年度比
| 2009 | 2008年通年 | 変動率 (%) | 2009年第4四半期 | 2008年第4四半期 | 変動率 (%)
|
売上高 | 5,057 | 6,576 | -23.1 | 1,392 | 1,462 | -4.8 |
特別項目調整前EBITDA | 465 | 722 | -35.6 | 144 | 87 | +65.5 |
特別項目調整前 EBITDAマージン(%) | 9.2% | 11.0% |
| 10.3% | 6.0% |
|
純利益 | 40 | 183 | -78.1 | 14 | -32 | n/a |
これは、ドイツ・レバクーゼンで3月17日に発表されたリリースをもとに、ランクセス株式会社が発表したものです。
この原文(英語)は、以下のURLにてご参照下さい。 www.press.lanxess.com
ランクセスについて
ランクセスは、世界23カ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカーです。2009年の総売上は50億6,000万ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約 14,300人、世界中に43の拠点を展開しています。主な事業は、プラスチック、合成ゴム、中間体、特殊化学品の開発、製造とマーケティングです。ランクセスについての詳細は同社URLにてご確認下さい。http:// www.lanxess.co.jp
本件に関するお問い合わせ先:
ランクセス株式会社 コーポレートコミュニケーションズ
佐野 公美
TEL : 03-5293-8005 FAX : 03-5219-9773
kumi.sano@lanxess.com
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(2010-00035J)