2022-08-16
ドイツの特殊化学品メーカー、ランクセス(LANXESS)は、気候保護への取り組みを前進させ、新たにスコープ3排出量に関する目標を設定したと発表しました。ランクセスグループは2050年までにサプライチェーンの上流から下流まで、バリューチェーン全体のクライメイト・ニュートラル(気候中立)を目指します。この目標には、特に購入した原料からの排出、さらには物流、最終製品に至るまでの間接排出が含まれます。中間目標として、2030年までにスコープ3排出量を、2015年比で40%(CO2換算値で2万7000キロトンから1万6500キロトンへ)削減する計画です。ランクセスは2019年に、自社の製造プロセスから発生する直接排出(スコープ1)および外部エネルギー源による排出(スコープ2)について、2040年までのクライメイト・ニュートラル(気候中立)を目指すという目標を設定し取り組みを進めています。
ランクセスの気候目標はパリ協定に基づいて設定されており、この度、気候保護の推進を行う国際的に有名な「化学的根拠に基づく目標(Science Based Targets)イニシアチブ(以下、SBTイニシアチブ)」の認定を取得しました。SBTイニシアチブは、気候変動問題などへの情報開示を推進する国際的な団体CDP(旧カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)、国連グローバル・コンパクト(UNGC)、世界資源研究所(WRI)、世界自然保護基金(WWF)の4団体が設立した国際的な共同イニシアチブです。SBTイニシアチブの検証において、排出削減に向けたランクセスの目標は有効とされ、地球温暖化を1.5度未満に抑えることへの貢献が認められました。この1.5度未満という温度は気候崩壊を防ぐ境界であると考えられています。
ランクセスのCEOであるマティアス・ツァハトは次のように述べています。「気候変動を食い止めるためには、私たちの社会がクライメイト・ニュートラル(気候中立)へと転換していくことが必要であり、ランクセスはその役割を果たしたいと考えています。2019年に設定した、2040年までに直接排出および外部エネルギー源からの排出でクライメイト・ニュートラル(気候中立)を達成するという目標は、すでに非常に意欲的なものです。今回、さらなる目標をスコープ3排出量で設定することで、私たちはサプライヤーおよびお客様とともに次の段階へと進みます。ランクセスの目標がSBTイニシアチブに評価されたことは、正しく責任ある道を歩んでいることを示すものです」
SBTイニシアチブのCEOであるルイス・アマラウ(Luiz Amaral)氏は次のように述べています。「ランクセスは、化学的根拠に基づいて地球温暖化を1.5度未満に抑えるという目標を掲げ、SBTイニシアチブが認定する企業の1社となりました。ランクセスのように意欲的な目標を設定する企業が、今こそ必要なのです」
クライメイト・ニュートラル(気候中立)なサプライチェーンのための戦略策定
スコープ3目標の達成に向け、ランクセスは「ネットゼロ・バリューチェーンプログラム」を立ち上げました。バリューチェーン全体でのクライメイト・ニュートラル(気候中立)を目指すこの戦略は、次の3つの柱に基づいたものです。
持続可能な原料:ランクセスは原料調達の再編を行い、バイオベース原料、リサイクル原料、再生可能エネルギーで製造された原料などの持続可能な原料の調達をさらに進めています。現在、使用されている持続可能な原料例としては、「デュレタン(Durethan)」ブランドの高性能プラスチック向けに使用されている持続可能な原料で生産されたシクロヘキサンや、「アディプレン(Adiprene)」ブランドのプレポリマー向けに使用されているでん粉ベースのポリエーテルポリオールなどがあります。
グリーン物流:貨物の輸送手段を選択する際に、二酸化炭素排出量はこれまでよりもさらに重視されています。ランクセスは持続可能なドライブトレインを備えた「グリーン船舶」などの革新的ソリューションの利用も視野に入れています。物流計画の改善は、輸送資産利用率の向上、貨物輸送手段の最適化、貨物輸送の需要削減も目的としています。
クライメイト・ニュートラル(気候中立)製品:ランクセスは低二酸化炭素排出量のクライメイト・ニュートラル(気候中立)製品およびソリューションを拡充しています。2021年の秋以降、このような製品には「スコープブルー(Scopeblue)」のブランドラベルが与えられています。例えば、原料の約半分が持続可能な原料から作られるトリメチロールプロパン(TMP)や、亜麻繊維と乳酸をベースとしたコンポジット素材「テペックス(Tepex)」などが「スコープブルー」製品に含まれます。中期的には、ランクセスは全ての製品について低炭素でクライメイト・ニュートラル(気候中立)な代替品の提供を目指しています。目標は2050年までにランクセスの製品ポートフォリオを全てクライメイト・ニュートラル(気候中立)製品にすることです。そしてランクセスは全ての製品でカーボンフットプリントを数値化したいとも考えています。
ツァハトは次のように述べています。「私たちはネットゼロ・バリューチェーン・プログラムによって、製品ポートフォリオのクライメイト・ニュートラル(気候中立)への転換を推進していきます。これによって今まで以上に持続可能なソリューションを求めるお客様をサポートすることにもなるのです」
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これは、ドイツ・ケルンで8月4日に発表されたリリースをもとに、ランクセス株式会社が発表したものです。
この原文(英語)は、以下のURLにてご参照下さい。 http://www.press.lanxess.com
ランクセスについて
ランクセスは、世界33カ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカーです。2021年の総売上は61億ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約 13,200人です。主な事業は、化学品中間体、添加剤、コンシューマー・プロテクション製品の開発、製造とマーケティングです。ランクセスは、持続可能性に優れた企業を選定する「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス」のワールド・インデックス(DJSI World)、ヨーロッパ・インデックス(DJSI Europe)および「FTSE4Good」の構成銘柄です。
ランクセスについての詳細は同社URLにてご確認下さい。
www.lanxess.co.jp
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TEL : 03-5293-8006 FAX : 03-5219-9773
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(2022-0804-2J)