2021-11-08
ドイツの特殊化学品メーカー、ランクセス(LANXESS)は、2021年度第3四半期の業績を発表しました。経営環境が厳しい中、ランクセスは堅調な業績を維持しています。原材料、エネルギー、輸送コストの急激な上昇にもかかわらず、2021年度第3四半期の特別項目を除いたEBITDAは前年同期比44.0%増の2億7,800万ユーロ(前年同期:1億9,300万ユーロ)となりました。
全部門で堅調な業績でしたが、特にスペシャリティアディティブス部門とエンジニアリングマテリアルズ部門が好業績でした。ランクセスは、原材料価格の大幅な上昇に対し、販売価格の調整で適切に対処することができました。今年度に完了した3件の買収(特にエメラルド・カラマ・ケミカル社)も好業績に寄与しました。一方で、為替によるマイナスの影響(主に対米ドル)、さらにはエネルギーと輸送コストの高騰は利益の伸びを妨げる結果となりました。第3四半期の特別項目を除いたEBITDAマージンは14.2%(前年同期:13.2%)に増加しました。
ランクセスのCEOであるマティアス・ツァハトは、次のように述べています。「ランクセスは、第3四半期も成長し続けました。事業展開は引き続き好調で、原材料費の大幅上昇にも成功裏に対処できました。IFFグループが保有するマイクロビアルコントロール(微生物制御)事業の買収発表に伴い、コンシューマープロテクション部門は今後さらに大きく拡大する予定です。ランクセスの事業はこれによってさらに安定し、利益性も一層向上するでしょう。しかし、エネルギー、原材料、輸送のコストは、これまでにないレベルで上昇しており、私たちも決して無傷ではありません。第4四半期には、このコスト圧力がさらに高まると予想されます」これらのコスト増加、また、中国におけるひっ迫したサプライチェーンおよび電力配給の制限による中国国内の生産への悪影響を考慮し、ランクセスは、通年の特別項目を除いたEBITDAが10億ユーロから10億5,000万ユーロの業績予測値幅の下限値寄りに着地すると見込んでいます。
第3四半期の連結売上高は、前年同期比33.5%増の19億5,100万ユーロとなりました。継続事業からの純利益は6,800万ユーロで、2020年度第3四半期の2,500万ユーロから伸長しました。これは、事業の順調な発展とエメラルド・カラマ・ケミカル社の寄与によるものです。
コンシューマープロテクション部門が引き続き拡大
ランクセスは、米国のインターナショナル・フレーバー・アンド・フレグランス社(IFF)からマイクロビアルコントロール(微生物制御)事業の買収を計画し、引き続き事業を拡大しています。両社は8月にこの買収に合意し、契約を締結しました。買収の諸手続きは2022年度第2四半期に完了する予定です。IFFグループのマイクロビアルコントロール(微生物制御)事業は、物質保護剤、防腐剤、消毒剤向けの抗菌活性成分および抗菌活性製剤の主要サプライヤーです。この事業による年間売上高は約4億5,000万米ドル(約3億8,000万ユーロ*)で、特別項目を除いたEBITDAは約1億米ドル(約8,500万ユーロ*)です。ランクセスは、さらに相乗効果を生み出して、年間約3,500万米ドル(約3,000万ユーロ*)の特別項目を除いたEBITDAの上積みを、移管手続きの完了から4年以内に実現させる見込みです。
部門別業績:需要増と販売価格の引き上げが利益に寄与
アドバンスト中間体部門は、原材料費の高騰による販売価格の調整、および、引き続き好調な需要により、第3四半期の売上高を伸ばしました。売上高は、前年同期比28.7%増の5億3,300万ユーロ(前年同期:4億1,400万ユーロ)となりました。この部門において特に顕著であったエネルギー価格の上昇、さらに輸送コストの増加および為替の影響によって利益は圧迫されたものの、特別項目を除いたEBITDAは、前年同期比18.3%増の8,400万ユーロ(前年同期: 7,100万ユーロ)に達しました。特別項目を除いたEBITDAマージンは、15.8%(前年同期:17.1%)に減少しました。
スペシャリティアディティブス部門は、全ビジネスユニットにおける販売価格の引き上げと好需要の恩恵を受けました。売上高は、前年同期比29.8%増の6億500万ユーロ(前年同期:4億6,600万ユーロ)となりました。利益は輸送コストの上昇と為替の影響を受けましたが、特別項目を除いたEBITDAは、前年同期比72.9%増の1億200万ユーロ(前年同期:5,900万ユーロ)を達成し、部門としては過去最高を記録しました。特別項目を除いたEBITDAマージンは16.9%(前年同期:12.7%)に達しました。
コンシューマープロテクション部門の売上高と利益は、第3四半期も好調に展開しました。これは特に、エメラルド・カラマ・ケミカル社の買収に伴い8月初旬に設立された新しいフレーバー&フレグランスビジネスユニットによるものです。テセオ社とINTACE社の買収、ならびに、販売価格の引き上げもプラスの効果をもたらしました。売上高は、前年同期比27.0%増の3億5,300万ユーロ(前年同期:2億7,800万ユーロ)となりました。エメラルド・カラマ・ケミカル社の業績への寄与分は、エネルギーと輸送コストの大幅増加、および、サルティゴでの予定外の生産停止によってほぼ相殺されました。その結果、コンシューマープロテクション部門の特別項目を除いたEBITDAは、6,000万ユーロで、前年同期の5,900万ユーロよりわずか1.7%の増加に留まりました。特別項目を除いたEBITDAマージンは、17.0%(前年同期:21.2%)でした。
エンジニアリングマテリアルズ部門では、販売価格の引き上げと販売量の増加によって売上高が大幅に増加しました。特に自動車業界からの需要が引き続き非常に好調でした。売上高は、パンデミックの影響を大きく受けた前年同期の2億8,500万ユーロから53.0%増加し、4億3,600万ユーロとなりました。エネルギーおよび輸送コストの上昇は利益にマイナスの影響を及ぼしましたが、特別項目を除いたEBITDAは、前年同期比87.9%増の6,200万ユーロ(前年同期:3,300万ユーロ)となりました。特別項目を除いたEBITDAマージンは14.2%(前年同期:11.6%)に増加しました。
*ユーロ/米ドルの為替レート比=1.18として計算
2021年度第3四半期 主要データ(単位:100万ユーロ)
| 2020年度第3四半期 | 2021年度第3四半期 | 変動率(%) | 2020年度1-9月 | 2021年度1-9月 | 変動率(%) |
売上高 | 1,461 | 1,951 | 33.5 | 4,601 | 5,475 | 19.0 |
特別項目を除いたEBITDA | 193 | 278 | 44.0 | 662 | 797 | 20.4 |
特別項目を除いたEBITDAマージン(%) | 13.2% | 14.2% |
| 14.4% | 14.6% |
|
純利益 | 26 | 74 | >100 | 888 | 238 | -73.2 |
継続事業 | 25 | 68 | >100 | 891 | 208 | -76.7 |
非継続事業 | 1 | 6 | >100 | -3 | 30 | >100 |
純金融負債 |
|
|
| 1,012* | 2,343 | >100 |
従業員数** |
|
|
| 14,309* | 14,866 | 3.9 |
* 2020年12月31日時点
** 第3四半期末時点で継続事業に従事している社員数
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これは、ドイツ・ケルンで11月4日に発表されたリリースをもとに、ランクセス株式会社が発表したものです。
この原文(英語)は、以下のURLにてご参照下さい。 http://www.press.lanxess.com
ランクセスについて
ランクセスは、世界33カ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカーです。2020年の総売上は61億ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約 14,900人です。主な事業は、中間体、添加剤、特殊化学品及びプラスチックの開発、製造とマーケティングです。ランクセスは、持続可能性に優れた企業を選定する「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス」のワールド・インデックス(DJSI World)、ヨーロッパ・インデックス(DJSI Europe)および「FTSE4Good」の構成銘柄です。
ランクセスについての詳細は同社URLにてご確認下さい。
www.lanxess.co.jp
本件に関するお問い合わせ先
ランクセス株式会社 コーポレートコミュニケーションズ
TEL : 03-5293-8006 FAX : 03-5219-9773
lanxess.japan@lanxess.com