2021-08-25
ドイツの特殊化学品メーカー、ランクセス(LANXESS)は、自動運転に有効な熱管理性能を備えたレーダーセンサーの新しいコンセプトを開発しました。ランクセスは、高性能な熱可塑性プラスチックの主要サプライヤーであり、「ニューモビリティ」分野の開発パートナーであると自負しています。運転支援システムは、次世代の自動車における主要機能として、その重要性が益々高まっています。車両周囲360度の監視は、特にレーダー波によって可能となり、レーダーセンサーは、距離制御、車線変更監視、衝突回避、死角監視システムなどにおいて、不可欠な要素を構成します。
センサーは防塵・防水でなければならないため、完全に密閉されたシステムとして設計されます。しかし、これは内部からの効果的な放熱を困難にし、その結果、電子機器の性能およびセンサーの耐久性を損なう可能性があります。「そこで、金属製の冷却素子と熱伝導性プラスチックを組み合わせて熱を逃がすコンセプトを開発しました。個々のセンサー部品は、一体化されたスナップフィットとホットリベットを使用して組み立てられ、このプロセスは、従来までのネジを使用する方法に比べ、はるかに安価で時間の短縮にもつながります」と、ハイパフォーマンスマテリアルズ(HPM)ビジネスユニットのアプリケーション開発者であるグレゴール・ヤシュケヴィッツは述べています。
少数のコンポーネント
一つのレーダーセンサーにおいて、ランクセスの新しいコンセプトでは、フロントカバー(「レドーム」)、レーダー吸収体、アンテナなどのポリ塩化ビフェニル(PCB)、および一体化された冷却素子を備えたバックカバーなど、個々のコンポーネントを含みます。レドームは車両の外方向に向けられ、レーダー波に対して高い透過度を提供するプラスチック製でなければなりません。ポリブチレンテレフタレート(PBT)は、低い誘電率(Dk)と損失係数(Df)を有するため、レドームに最適な材料といえます。
ハイブリッド技術による機能統合
背面カバーは、アセンブリ全体の中で最も複雑な部分です。これはポリアミド6と金属冷却素子を用いたプラスチック金属化合物(ハイブリッド)技術で製造されます。これにより、エンジニアは射出成形プロセスによって提供される膨大な設計自由度を活用することができ、補強リブや冷却リブ、コネクタ用スロット、およびケーブルの歪みのない取り付けなどの機能を統合できます。しかし、最も重要なことは、金属冷却素子の表面が薄いプラスチック領域で過剰に形成されることです。「PCBの電子部品で発生した熱は、これらのプラスチック領域を通じてアセンブリ全体から効率的に放散されます。この効果は、デュレタン®(Durethan®)BTC製品の熱伝導性ポリアミド6を射出成形材料として使用することで裏付けられています」と、ヤシュケヴィッツは述べています。ポリアミド6も非常に丈夫で可塑性があります。ハイブリッド設計のもう一つの利点は、金属製の冷却素子が電磁放射に対してレーダーセンサー内の電子機器を遮蔽することであり、これは、その機能が外部放射によって損なわれないことを意味します。
アセンブリは、2成分射出成形プロセスで形成されたOリングまたはシールリップで構成されます。
テーラーメイドの材料混合
プラスチック製のレーダーセンサーのほとんどのコンセプトにおいては、レドームと背面カバーは常に熱可塑性プラスチックで作られており、互いに溶接して完全に密閉されたアセンブリを作ることができます。これは、一般に、2つの構成要素を接合するために同じプラスチックを使用しなければならないことを意味します。「しかし、ランクセスのアプローチでは、材料の選択に制限が少なく、テーラーメイドのコンパウンドの使用を容易にします」と、ヤシュケヴィッツは述べています。
グローバル開発パートナーのノウハウを活用
ランクセスは、運転支援システム用のセンサーが、「デュレタン®(Durethan®)」ブランドのポリアミドと「ポカン®(Pocan®)」ブランドのポリエステルに多くの機会をもたらすと考えています。「ランクセスは、このアプリケーション分野で大きな成長の可能性を見出しており、レーダーセンサーのコンセプトのような独自のアイデアで技術革新を進めたいと考えています」と、HPMビジネスユニットのグローバルアプリケーション開発エキスパートであるクリストファー・ホフスは述べています。例えば、HPMビジネスユニットは最近、電気自動車用充電インレットのモジュラーデザインのコンセプトも発表しました。
同ビジネスユニットは、HiAntブランドのもと、材料、アプリケーション、プロセス、および技術開発における広範なノウハウを結集し、プロジェクトにおいてパートナーと顧客をサポートしています。「コンセプト設計、材料最適化、機械的およびレオロジー的シミュレーション、コンポーネントテスト、シリーズ生産の開始など、アプリケーション開発のあらゆる段階においてパートナーをサポートしています」と、ホフスは強調します。
ランクセスのニューモビリティ分野の製品とテクノロジーについての詳細は、以下のURL(英語のみ)にてご確認いただけます。
lanxess.com/en/Products-and-Solutions/Focus-Topics/E-Mobility
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これは、ドイツ・ケルンで8月16日に発表されたリリースをもとに、ランクセス株式会社が発表したものです。
この原文(英語)は、以下のURLにてご参照下さい。 http://www.press.lanxess.com
ランクセスについて
ランクセスは、世界33カ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカーです。2020年の総売上は61億ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約 14,800人です。主な事業は、中間体、添加剤、特殊化学品及びプラスチックの開発、製造とマーケティングです。ランクセスは、持続可能性に優れた企業を選定する「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス」のワールド・インデックス(DJSI World)、ヨーロッパ・インデックス(DJSI Europe)および「FTSE4Good」の構成銘柄です。
ランクセスについての詳細は同社URLにてご確認下さい。
www.lanxess.co.jp
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(2021-0816J)