ランクセス、クランプによる強固な固定を実現するバッテリー用軽量ブラケットを提供

コンポジットの設計によって、金属製の製品より40%も軽量化が可能です。（写真：ランクセスAG）

ドイツの特殊化学品メーカー、ランクセス（LANXESS）は、運転支援システムの構成コンポーネントの製造に最適な、連続繊維で強化された熱可塑性コンポジット「テペックス^® （Tepex ^®）」を提供しています。「テペックス」は、「メルセデス・ベンツSクラス」の高度自動運転支援システム「インテリジェントドライブ」に対して、突然の停電時に電気を供給する、バッテリー用ブラケットにも使用されています。この弓状ブラケットは、ドイツ・ローネのポエッペルマン・クンストシュトッフ・テクニック社（Poeppelmann Kunststoff-Technik GmbH & Co. KG）によって、ポリプロピレン系「テペックス ダイナライト104-RGUD600(4)/47%」をベースにして作られています。この製造方法は、コンポジットの成形（ドレープ）と射出成形を組み合わせた2段階プロセスです。ポエッペルマン社の軽量化デザイン担当者であるヨアヒム・シュラップ氏は、次のように述べています。「コンポジットの設計によって、金属製の製品より40%もの軽量化が可能です。射出成形プロセスで使用することで、ブラケットの取り付けを簡素化するだけでなく、物流の作業負荷を軽減することも可能となります。これらはすべて、製造コストに有益な効果をもたらします」

力の最適な配分

ブラケットの役割は、衝突時に大きな加速による負荷を受けた場合でも、クランプだけで重さ約10 kgのバッテリーをリアコンパートメントにしっかりと固定することです。ブラケットは、力の大部分がコンポジット素材の連続ガラス繊維を介して作用点から確実に伝達されるように設計されています。これは、「テペックス ブランク」の優れた強度と剛性を最大限に生かしています。ランクセスでテペックスのセールス・アンド・プロジェクト・マネージャーを務めるフィリップ・マースは、次のように述べています。「このコンポジットの特長は、例えば繊維で強化された射出成形コンパウンドとは異なり、持続的高応力下でのクリープを受けず、変形しないことです。これにより、バッテリーは常に所定の位置に保たれます」また、ブランクは疲労強度にも優れているため、路面の凹凸による頻繁な振動や激しい振動を受けても、材料が徐々に脆くなったり、割れたりすることがありません。

コントロール・ユニットをクリップで固定

射出成形の段階で、ケーブル用ガイド、および2つのコントロール・ユニット用のマウントとファスナーがブラケットに組み込まれます。シュラップ氏は次のように述べています。「設置の際はこの2つの装置をクリップで固定するだけです。スクリューで取り付ける必要はありません」

素材の強靭な結合

テペックスの素材として使用されているポリプロピレンマトリックスは、4層の連続ガラス繊維で強化されており、そのほとんどは一方向に配列されています。射出成形コンパウンドも、ポリプロピレン系であり、短いガラス繊維で強化されています。マースは次のように述べています。「結合マトリックスと射出成形特性が一致するため、非常に強い結合が形成されます。コンポジットの高比剛性との相乗効果により、強度と剛性の両方を向上することができます」

耐食性と電気絶縁性

コンポジットの半製品は腐食しにくいため、金属製のコイルに比べて輸送や保管が容易であるという特長も持っています。構造素材の電気的特性も重要な役割を果たします。シュラップ氏は次のように述べています。「本体やバッテリーの金属部分とは電気的に絶縁されており、ショートのリスクを大幅に軽減します。しかし、金属製のコンポーネントでは、ショートを防ぐための追加対策が必要になります」

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これは、ドイツ・ケルンで11月29日に発表されたリリースをもとに、ランクセス株式会社が発表したものです。

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ランクセスは、世界33カ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカーです。2020年の総売上は61億ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約 14,900人です。主な事業は、中間体、添加剤、特殊化学品及びプラスチックの開発、製造とマーケティングです。ランクセスは、持続可能性に優れた企業を選定する「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス」のワールド・インデックス（DJSI World）、ヨーロッパ・インデックス（DJSI Europe）および「FTSE4Good」の構成銘柄です。

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