2021-02-25
ドイツの特殊化学品メーカー、ランクセス(LANXESS)は、2月10日、ベルギーのアントワープにある製造拠点で亜酸化窒素還元プラントの稼働を開始し、クライメイト・ニュートラル(気候中立)を実現するための新たな一歩を踏みだしました。このプラントでは、年間約500トンの亜酸化窒素を分解しますが、これが気候に与える影響はCO215万トンに相当します。プラント建設にあたって、ランクセスはおよそ1,000万ユーロを投資しました。2023年に操業開始を予定している第2プラントでは、さらにCO2換算で30万トン相当の削減が見込まれます。
「ランクセスは、地球規模の温暖化を2度未満に抑えるというパリ協定で定められた目標に全力で取り組んでいます。アントワープの新しい亜酸化窒素還元プラントは、ランクセスにとって、2040年までにクライメイト・ニュートラル(気候中立)を達成するための重要なプロジェクトの一つです」と経営委員会メンバーであるフーバト・フィンクは述べています。また同時に、気候保護措置の経済的な利点についても強調します。「ランクセスは、気候保護を主要な事業活動に位置付けています。私たちはお客様にとって一層持続可能なパートナーとなる所存です。また同時に、欧州連合域内排出量取引制度の証明書の削減や、革新的な技術によるエネルギー使用量の抑制などの気候保護への取り組みは、コストの削減にもつながります」
効率的な熱利用を実現する革新的なテクノロジー
亜酸化窒素(N2O)は笑気ガスとしても知られていますが、これは、アントワープの製造拠点でプラスチック中間体であるカプロラクタムを製造する際に生成されます。人体には害のないものですが、環境には二酸化炭素の300倍もの害を及ぼします。ランクセスの新プラントでは、摂氏約1,000度で亜酸化窒素を無害な窒素と酸素に分解し、完全に中和しています。
次の工程においては、プラントはさらに窒素酸化物(NOX)を分解します。このとき、還元剤としてアンモニアが使用されます。窒素酸化物は、摂氏250度から450度の間で分解され窒素と水を生成します。
これらのプロセスを組み合わせることにより、プラントは非常に高い熱効率を実現しています。これは、特別に開発したセラミックス熱交換器により可能になったものです。これら熱交換器は、熱を捉えて蓄積しますが、その熱は熱酸化の過程で用いられるもので、亜酸化窒素と窒素酸化物を分解する際に発生します。熱交換器が清浄な気体からの熱を蓄積すると、工程フローの向きが変わり、今度は流入してきた排気の予熱を行います。この工程フローの方向転換が繰り返し行われることで、極端に少ない外部エネルギー供給でプロセスは稼働し続けることが可能です。
気候保護のための意欲的なプラン
アントワープのプラントに加え、ランクセスグループでは現在、2040年までにクライメイト・ニュートラル(気候中立)を達成することを目指し、さらなる気候保護プロジェクトに取り組んでいます。また、インドの複数の拠点においては、エネルギー供給をすべて再生可能なエネルギー源に切り替えています。ここではバイオマスと太陽光エネルギーの供給を大幅に増加させる一方で、将来的には石炭やガスの使用を廃止します。これにより、2024年以降はCO2換算排出量がさらに15万トン削減されます。グループではさらに、ドイツの主要な生産拠点において石炭を使用したエネルギーの供給を段階的に廃止する予定です。2019年、ランクセスは2025年までに自社の気候保護プロジェクトに最大1億ユーロを投資すると発表しました。
また、現行の製造プロセスの多くを見直しています。例えば、フェアブント(統合)構造(工場間の熱交換や空気浄化に関するもの等)の改良を継続していきます。他の手順については、まず工業規模での開発が必要であるため、ランクセスはクライメイト・ニュートラル(気候中立)な製造プロセスと技術革新にさらに焦点を当てた研究を進めています。
ランクセスは2004年に設立されて以来、CO2換算排出量を当初の640万トンから2019年にはその半分以下の約306万トンにまで削減してきました。
ベルギーにおけるランクセス
ランクセスはアントワープの港湾エリアに2つの製造拠点を有しています。これらはグローバルな高性能プラスチック事業の中核をなすものです。アントワープのリロ拠点では、中間体のカプロラクタムとポリアミドを製造しており、同じくアントワープのカロ拠点では、プラスチック用のガラス繊維やゴム薬品を製造しています。ベルギー全体では、およそ1,000名の従業員が働いています。
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これは、ドイツ・ケルンで2月10日に発表されたリリースをもとに、ランクセス株式会社が発表したものです。
この原文(英語)は、以下のURLにてご参照下さい。 http://www.press.lanxess.com
ランクセスについて
ランクセスは、世界33カ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカーです。2019年の総売上は68億ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約 14,400人です。主な事業は、中間体、添加剤、特殊化学品及びプラスチックの開発、製造とマーケティングです。ランクセスは、持続可能性に優れた企業を選定する「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス」のワールド・インデックス(DJSI World)、ヨーロッパ・インデックス(DJSI Europe)および「FTSE4Good」の構成銘柄です。
ランクセスについての詳細は同社URLにてご確認下さい。
www.lanxess.co.jp
<参考動画>
https://www.youtube.com/watch?v=CFD7FAtxhjw
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(2021-0210J)