ランクセス、「電気・電子用途のプラスチック会議」に出展し、持続可能な製品群を紹介

充電用インスレットのコンセプトは、モジュール設計を含みます。ケーブルとコンタクトピンをホルダーにセットし、プリント基板を挟み込んだら、スナップフィットを使ってすべての部品を組み立てます。（写真：ランクセスAG）

ドイツの特殊化学品メーカー、ランクセス（LANXESS）は、6月1日から2日にドイツのファイツヘーヒハイムで開催される、サウスジャーマンプラスチックスセンター（SKZ）主催の「電気・電子用途のプラスチック会議　－　ヒューズボックスとドライヤーの出会い　－」に出展します。本イベントは電気・電子（E&E）業界を対象としており、今年は持続可能性、カーボンフットプリント、エレクトロモビリティをメインテーマとしています。ランクセスのハイパフォーマンスマテリアルズ（HPM）ビジネスユニットのグローバル電気・電子用途開発者であるサラ・ルアーズは、「ランクセスはこのイベントで、持続可能で省資源な原材料をベースにしたコンポジットや、新しいポリアミドおよびポリエステル・コンパウンド材料を展示します。これらの製品は、製造する部品のカーボンフットプリントの削減や、クライメイト・ニュートラルを目指すお客様のサポートに貢献します」と述べています。同展示会でランクセスは、電気パワートレイン用のプラスチック材料や電気自動車用の充電装置も紹介します。

代替原材料の基準

ランクセスは、幅広い種類の持続可能なプラスチック材料を提供しています。これらの製品には、一般的にISCC（国際サステナビリティ・カーボン認証）Plusで認証され、マスバランス法を用いて算出された持続可能な代替原材料が使用されています。例としては、ポリアミド6および66（PA6およびPA66）／ポリブチレンテレフタレート（PBT）をベースとしたデュレタンECOおよびポカンECO製品群が挙げられます。これらの製品には産業用ガラス廃棄物から作られた15%から60%重量の再生ガラス繊維が含まれています。特に注目すべき製品は、「デュレタン^®（Durethan^®）BLUEBKV60H2.0EF」です。これは、グリーンなシクロヘキサンを含む様々な材料から作られた、60%重量の再生ガラス繊維で強化されたポリアミド6コンパウンドです。この製品は、ランクセスが新たに展開する「Scopeblue（スコープブルー）」シリーズの新製品で、循環型（リサイクルまたはバイオベース）原材料を一定以上含む製品、または従来製品よりもカーボンフットプリントを大幅に削減した製品に付与されるプレミアムブランドの製品です。最近では、30%重量のガラス繊維が含まれた「デュレタン^®（Durethan^®）BLUEBKV30H2.0」が加わり、今後も継続的に製品群を拡大していく予定です。ルアーズは次のように述べています。「ランクセスは今後も、優れた難燃性や高い耐トラッキング性などの電気・電子要件を満たす、持続可能な製品を開発していきます」

スコープブルーシリーズのもうひとつの製品イノベーションは、亜麻とポリ乳酸をベースにし、軽量かつ連続繊維で強化された熱可塑性複合素材「テペックス^® （Tepex ^®）」です。この天然資源のみで作られた複合素材の重量比剛性は、同等のガラス繊維強化材料と同程度であり、電気・電子用途では家電用のハウジング部品への応用が可能です。

バッテリーおよびパワートレインに関する専門知識を結集

長年にわたる電気・電子機器、自動車業界との取引により、ランクセスは、バッテリーや電動パワートレイン部品用のプラスチックに関する幅広い専門知識を有しています。これは、例えば、電気自動車用の高電圧バッテリーを収容するように設計された大型プラスチックハウジングに生かされています。この製品は、カウテックス・テキストロン社（Kautex Textron）との共同開発により量産可能な技術を用いた試作品として開発され、ランクセスは材料開発を、カウテックス社は部品およびプロセス開発を担当しています。この幾何学的に複雑な軽量部品は、金属製の補強部材を一切含まず、重量は2桁中盤キロに抑えられています。完成したパーツテストの結果が公開されており、この部品が高い要求を満たしていることを証明しています。

電気自動車充電用インレットのための新しいコンセプト

ランクセスブースのもうひとつの見どころは、電気自動車の充電用インレットのモジュール設計のために自社で開発されたコンセプトです。カスタマイズされた素材は、コスト削減につながる高度な機能統合を実現します。また、わずかな部品で構成されるモジュール全体は、ネジを使わずに素早く組み立てることができるため、コスト削減にも貢献します。

難燃性に優れたコンポジット

また、テペックス連続繊維強化熱可塑性コンポジットのバッテリー用途の可能性についてもご紹介する予定です。この素材は、特に難燃性に関して、素晴らしい可能性を含んでいます。ルアーズは次のように述べています。「ランクセスのブースでは映像を上映し、コンポジットが持つ優れた難燃性をバッテリー部品に使用することで、バッテリーの熱暴走が起きた場合にどのような効果があるのかを実演します」熱暴走は、制御不能な化学反応によってバッテリーが過熱し始めたときに発生し、バッテリーが発火して爆発する危険性があります。

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これは、ドイツ・ケルンで5月18日に発表されたリリースをもとに、ランクセス株式会社が発表したものです。

この原文（英語）は、以下のURLにてご参照下さい。 http://www.press.lanxess.com

ランクセスについて

ランクセスは、世界33カ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカーです。2021年の総売上は76億ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約 14,900人です。主な事業は、中間体、添加剤、特殊化学品及びプラスチックの開発、製造とマーケティングです。ランクセスは、持続可能性に優れた企業を選定する「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス」のワールド・インデックス（DJSI World）、ヨーロッパ・インデックス（DJSI Europe）および「FTSE4Good」の構成銘柄です。

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(2022-0518J)