ランクセス、高級セダン向けロードコンパートメントウェルに「テペックス ダイナライト」が採用されたと発表

ロードコンパートメントウェルは、高い機械的強度を備え、同等の強度を持つ金属素材よりも約30%軽量です。（写真：ランクセスAG）

コストを削減する機能統合化

この安全性の高いコンポジット素材は、ウォータージェット切断機で切り出された約110×80センチメートルのブランク材を用い、ハイブリッド成形プロセスによって効率的に製造されています。ここで用いられるブランク材は、ポリアミド6をベースとした「テペックス ダイナライト102-RG600(2)」から作られており、2層の連続ガラス繊維で強化されています。ランクセスの流動性に優れたポリアミド6ベースの「デュレタン BKV60H2.0EF DUS060」は、コストを抑えた統合化を図るため、留め具だけでなく補強リブにも射出成形素材として使用されています。「デュレタン」は、体積の60%がガラス短繊維であるため、極めて強靭かつ強固であり、「テペックス」と完璧な組み合わせとなります。

複雑な成形プロセス

ブランク材の成形（ドレーピング）はスタンプ成形によって行われますが、高い延伸比により、非常に複雑なプロセスになっています。これは、コンポジット素材が金属素材のように可塑的に延伸するのではなく、繊維素材の動き（ドレーピング）に対応して変形し、成形プロセス中は常に外部から供給される必要があるためです。繊維素材の動きが大きすぎると、成形プロセスが阻害されることがあり、結果として以降の成形プロセスが中断したり、影響を受けたりすることになります。

開発コストを削減する統合的シミュレーション

ランクセスは様々な計算モデルを採用しているため、ドレーピングのプロセスを正確にシミュレーションすることで、成形の結果を予測および解析し、適切な対応を行うことができます。ランクセスでは、ブランク材の最適な2D切削形状を決定するだけではなく、顧客のツール構成に沿って仮想的にブランク材の成形挙動を解析し、早い段階で欠点を特定して取り除くことが可能です。これにより、プロセス設計の中に潜在する大幅なコスト削減を実現することができます。「ロードコンパートメントウェルの製造において、成形中のどの段階で繊維の臨界せん断角に達するのか、どこの部分でしわが形成されるのか、いつ繊維が壊れるのかについても特定を行いました。この計算やシミュレーションは、部品の丸角部分が予測される負荷に耐えられるかを確かめることにも役立っています」と、フォンベルク博士は述べています。 丸角部分など、顕著な3D外形を持つ部品領域においては、連続繊維の局所方向それ自体もシミュレーションされています。統合的シミュレーションの観点では、これは機械的部品の挙動を正確に予測するための前提条件です。「このすべてが『ハイアント』ブランドで提供しているランクセスのサービスの一部であり、ロードコンパートメントウェルの設計で顧客の開発エキスパートをサポートしています」と、フォンベルク博士は述べています。

さらなるシリーズの応用

「テペックス ダイナライト」は現在、「メルセデス・ベンツ Cクラス」において、車載電源バッテリー収納用に設計されたロードコンパートメントウェルの製造にも使用されています。「ランクセスは電気自動車に対し、安全装置、バッテリーシステム筺体一式、ボンネットを利用した収納スペース部分など、非常に大きな可能性を感じています。この軽量構造素材は金属より大幅に軽量で、電気自動車の走行距離を伸ばすことができるためです」と、フォンベルク博士は未来を見据えています。

ランクセスの製品および技術の詳細については、以下のURLをご参照ください。
ニューモビリティに関する情報：https://new-mobility.lanxess.com
軽量化構造に関する情報：www.lightweight.lanxess.com

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これは、ドイツ・ケルンで10月8日に発表されたリリースをもとに、ランクセス株式会社が発表したものです。

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ランクセスについて

ランクセスは、世界33カ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカーです。2020年の総売上は61億ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約 14,800人です。主な事業は、中間体、添加剤、特殊化学品及びプラスチックの開発、製造とマーケティングです。ランクセスは、持続可能性に優れた企業を選定する「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス」のワールド・インデックス（DJSI World）、ヨーロッパ・インデックス（DJSI Europe）および「FTSE4Good」の構成銘柄です。

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(2021-1008J)