ランクセス、高性能プラスチックのグローバル製造ネットワークを拡大

ドイツの特殊化学品メーカー、ランクセス（LANXESS）は、高性能プラスチックのグローバル製造ネットワークを拡大することを発表しました。ランクセスは、3月9日に米国で新コンパウンド工場の着工式を行い、さらに、ランクセスと米国デュポン社が運営する合弁会社のコンパウンド工場（ドイツ、ハッム・ユントロプ）の製造能力倍増を図ります。

 

ランクセスは、製造能力増強を図ることで、高性能プラスチックの需要増の高まりに対応していきます。この需要増は特に、増加する自動車生産および車両重量の軽量化によるものです。高性能プラスチックの世界需要は、2020年まで年間約7%の増加が予測されます。

 

米国のノースカロライナ州においてランクセス初の製造拠点建設に着工
ノースカロライナ州ガストニアに新設する製造施設は、初期製造能力20,000トン/年を備え、米国においてランクセスの高性能プラスチックの「デュレタン（Durethan）」と「ポカン（Pocan）」を製造する初のコンパウンド工場となります。同工場においてポリアミドやポリブチレンテレフタレートなどのベースポリマーを添加剤と混合・精製し、顧客ニーズにあわせて「デュレタン」と「ポカン」が製造されます。

 

同工場への初期投資額は約1,000万ユーロを見込み、現地で55名の新規雇用を予定しています。2011年第2四半期に建設を開始し、2012年に稼動予定です。

 

ランクセスの経営委員会メンバーであるヴェルナ・ブロイヤスは次のように述べています。「最先端を行く自動車産業のある米国は、高性能プラスチックの最大の市場です。同産業におけるCAFE（企業別平均燃費）基準の強化がこれらの最先端素材の需要を押し上げています」

 

CAFE基準は、米国内で販売される乗用車と軽トラックの平均燃費値の改善を目指すものです。

 

自動車業界は、「デュレタン」や「ポカン」を製造するセミクリスタリンプロダクツビジネスユニットの主要顧客産業です。これらの高度な革新的製品の使用は、自動車の金属部品の代わりとなる、従来品以上に軽量なプラスチック部品の設計を可能にし、燃料効率および排ガス低減に貢献します。さらに、自動車メーカーと車両部品サプライヤーは、「デュレタン」や「ポカン」を採用することで、さらなる廉価生産と組立工程の簡略化による大幅なコスト削減を実現します。

 

ドイツのハッム・ユントロプにあるコンパウンド工場の製造能力を倍増
ランクセスと大手化学メーカーであるデュポン社は、合弁事業のコンパウンド工場（ドイツ、ハッム・ユントロプ）に、さらに1,000万ユーロを投資し、ポリブチレンテレフタレート（PBT）の製造能力を倍増します。この増強により、現在70名の従業員に加えて、新たに9名の雇用を創出します。製造開始は2012年の予定です。2004年に開設した同工場は、この分野で世界最大級となります。

 

ランクセスのセミクリスタリンプロダクツビジネスユニットの責任者、マイケル・ゾベルは次のように述べています。「両社は、この設備投資によりPBTコンパウンドの高まる世界需要に対応します。この旺盛な需要は特に、世界の自動車および電気・電子産業が原動力となっています。これらの産業における高性能熱可塑性材料の売上は、有機的成長だけでなく、多くの新分野および革新的な用途によっても成長しています」

 

PBTの主な特性は、高い剛性、優れた耐衝撃強度と耐熱性です。さらに、PBTは電気絶縁性、耐摩耗性を備え、動的負荷強度にも優れています。主用途は、プラグコネクタ、ランプソケット、モーターハウジング等です。特に高成長が期待できる新分野の用途として、フェンダー、ウィンドディフレクター、ラジエーターグリルなどのトラックキャビン用大型付属パーツです。高含有のガラス繊維によりさらに高剛性を備えた特殊PBTグレードは、金属や熱硬化性プラスチックの代替としてますます重要な役割を担っています。

 

高性能プラスチックのグローバル製造ネットワーク
ランクセスは、過去1年間で高性能プラスチックのグローバル製造ネットワーク構築のため一連の投資を実施してきました。2011年1月には、インドのジャガディアにおいて新コンパウンド工場（初期製造能力20,000トン/年）の着工式を行いました。この新工場は、2012年初頭から高性能プラスチックの「デュレタン」と「ポカン」の製造を開始する予定です。投資額は1,000万ユーロ超で、新規に60名の雇用創出が見込まれます。中国の無錫工場においても、1,000万ユーロを投資し、2011年中旬までに製造能力を約60,000トン/年まで増強します。

 

ランクセスは、米国、アジア、ドイツのクレフェルド-ユルディンゲン拠点への投資により、「デュレタン」と「ポカン」の世界市場における優位性をさらに強化しました。また最近、ベルギーのアントワープ拠点において高性能プラスチック前駆体であるカプロラクタムの製造能力を拡大するために、3,500万ユーロを投資しました。製造能力は現行の200,000トン/年より約10%増となります。

 

ランクセスの高性能プラスチック・イヤー
ランクセスは、2011年を「高性能プラスチック・イヤー」とすると表明しています。この一環として、ランクセスは様々なイベントを開催するとともに、展示会や見本市への参加も予定しています。それらの活動を通じ、高性能プラスチックの用途、利点、そして持続可能な開発への貢献について、顧客をはじめ行政、ジャーナリスト、世界のランクセス従業員など、すべてのステークホルダーに情報を提供していきます。

 

セミクリスタリンプロダクツビジネスユニットは、パフォーマンスポリマーズ部門に属しています。世界中に約1,500名の従業員を擁し、ベルギー（アントワープ）、ドイツ（クレフェルド-ユルディンゲン、ハッム・ユントロプ／合弁事業）、中国（無錫）に製造拠点があります。

 

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これは、ドイツ・レバクーゼンで3月9日に発表されたリリースをもとに、ランクセス株式会社が発表したものです。
この原文（英語）は、以下のURLにてご参照下さい。 http://www.press.lanxess.com

 

 
ランクセスについて：
ランクセスは、世界24カ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカーです。2010年の総売上は71億ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約 14,850人、世界中に45の拠点を展開しています。主な事業は、プラスチック、合成ゴム、中間体、特殊化学品の開発、製造とマーケティングです。ランクセスについての詳細は同社URLにてご確認下さい。www.lanxess.co.jp

 

免責について (Forward-Looking Statements)：
このニュースリリースには、ランクセス経営陣による現在の仮定と今後の予測に基づく記述があります。既知あるいは未知の各種リスクや不確定性、その他の要素により、本頁に記載された予測と弊社の今後の総合売上高、財務状況、業績の数字が異なる場合があります。弊社は、ニュースリリースの記載事項を更新、もしくは今後の出来事や進展状況に合わせ、内容を変更する義務はないものとします。

 

その他の情報：
ランクセスのニュースリリースは www.lanxess.co.jp の”プレスリリース”項目よりご覧ください。また、役員およびその他の写真は photos.lanxess.com （英語）より入手いただけます。ランクセスの動画および音声、ポッドキャストについては下記をご覧ください。http://corporate.lanxess.com/en/media/audio-video/ （英語）ランクセスのウェブマガジンは下記でご覧いただけます。
http://webmagazine.lanxess.com/ （英語）

 

(2011-00042J)