2011-08-12
記録的な第2四半期の業績を受けて通年予測を上方修正
ドイツの特殊化学品メーカーのランクセス(LANXESS)は、2011 年度第2四半期の業績を発表しました。第2四半期において記録的な好業績を達成したことを踏まえて、2011年度通年の業績予測値を上方修正し、特別項目調整前EBITDAを前年比約20%増としました。ランクセスは、第1四半期発表時では、特別項目調整前EBITDAを前年比10%~15%増としていました。第2四半期の特別項目調整前EBITDAは、前年同期比26%増の3億3,900万ユーロとなりました。
ランクセスのCEOであるアクセル・ハイトマンは次のように述べています。「革新的プレミアム製品と新興国市場戦略に注力し、そしてすでに定着し実績ある『販売量よりも価格を優先する戦略』を実践することで、引き続き目覚ましい成果を収めました。特に、車社会化のメガトレンドにより、ランクセスの合成ゴム事業および高性能プラスチック事業が利益を享受しました」
売上高は、前年同期比23%増の22億ユーロを達成しました。高騰する原料価格は、全部門において製品売価の上昇により吸収しました。また、最近の数々の買収、特にエチレン・プロピレンゴム(EPDM)を製造するDSMエラストマーズ事業の買収は、販売量の増加とポートフォリオ全体に好影響を与えました。主に米ドル安による-7%の為替変動要因があったにもかかわらず、売上高は増加しました。
特別項目調整前EBITDAマージン*2は、前年同期14.7%から15.1%に増加しました。純利益は、前年同期比38%増の1億8,100万ユーロとなりました。
第2四半期末時点の純負債は、主にEPDM事業およびシンジェンタ社の物質保護剤事業の買収により、2010年末から49%増加し約14億ユーロとなりました。ランクセスの事業活動が強化されたことを反映し、営業活動によるキャッシュフローは、3倍以上の2億1,200万ユーロとなりました。
地域別業績
EMEA(ドイツを除く欧州、中東、アフリカ)地域は、引き続き第2四半期もグループ最大の売上高を誇る地域となり、グループの総売上高の30%を占めています。売上高は、前年同期比25%増の6億6,500万ユーロを達成し、ロシア、フランス、イタリアは同地域で最大の成長率を示しました。
アジア太平洋地域の売上高は、前年同期比19%増の4億9,200万ユーロで、グループの総売上高の22%を占めます。中国、インド、韓国が売上を牽引しました。
ドイツの売上高は、前年同期比26%増の4億1,100万ユーロで、グループの総売上高の18%を占めます。
北米地域の売上高は、前年同期比18%増の3億6,800万ユーロで、グループの総売上高の16%を占めます。
中南米地域の売上高は、前年同期比25%増の3億700万ユーロで、グループの総売上高の14%を占めます。為替変動による影響を除くと、同地域は第2四半期において最大の事業成長率を達成しました。引き続きブラジルが同地域において主要な牽引役となりました。
BRICS諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の売上高は、前年同期比22%増の5億2,200万ユーロで、グループの総売上高の23%を占めます。
事業分野別の業績
パフォーマンスポリマーズ部門の売上高は、前年同期比37%増の13億ユーロを達成しました。高騰する原料価格(特にブタジエンとイソブチレン)を製品売価の上昇(前年比29%上昇)により吸収しました。さらに、販売量の増加、そして買収したEPDM事業からの収益(約8,000万ユーロ)が好業績に貢献しました。特別項目調整前EBITDAは、前年同期比40%増の2億2,900万ユーロとなりました。タイヤおよび自動車産業の市場拡大により、ランクセスの合成ゴム事業および高性能プラスチック事業が恩恵を享受しました。
車社会化のメガトレンドに応えるため、ランクセスは、最近、オレンジ拠点(テキサス州)の製造能力増強を図り、次世代の高性能「グリーンタイヤ」の製造に不可欠な合成ゴム、ネオジウム触媒ポリブタジエンラバー(Nd-PBR)を製造します。さらに、ランクセスは、中国の無錫拠点においても高性能プラスチックの「デュレタン®(Durethan®)」と「ポカン®(Pocan®)」を製造するため製造能力増強を図りました。「デュレタン」と「ポカン」は、自動車の重量のある金属部品に取って替わり軽量化を実現します。
アドバンスト中間体部門の売上高は、製品売価の上昇と販売量の増加が牽引し、前年同期比14%増の3億9,500万ユーロとなりました。高騰する原料価格を製品売価の上昇により吸収しました。特別項目調整前EBITDAは、前年の高水準を維持し6,500万ユーロとなりました。農薬産業、特に殺菌剤前駆体の引き続き旺盛な需要により、アドバンスト工業化学品とサルティゴの両ビジネスユニットが恩恵を受けました。
パフォーマンスケミカルズ部門の売上高は、前年同期比5%増の5億6,100万ユーロとなりました。全ビジネスユニットにおいて、高騰する原料価格を製品売価の上昇により吸収しました。買収した中南米のDarmexグループとシンジェンタ社の物質保護剤事業の堅調な業績が売上高に貢献しました。特別項目調整前EBITDAは、前年同期比13%増の9,500万ユーロとなりました。無機顔料およびゴム薬品の両ビジネスユニットは、拡大する都市化および車社会化のメガトレンドにより最大の利益増加を達成しました。
今後の見通し
ハイトマンは、次のように述べています。「ランクセス製品の需要は引き続き高く、各工場は非常に高い稼動率で運転しています。こういった背景と上半期の好業績を受け、ランクセスは、通年の業績予測値を上方修正します」
2011年度通年の特別項目調整前EBITDAは、前年比約20%増(2010年: 9億1,800万ユーロ)を予測しています。
米ドル安の進行、さらに欧州の数カ国および米国における政府債務が高水準にあるために景気後退に陥るリスクは残ります。
下半期において原料とエネルギーコストがさらに高騰することが予測されますが、ランクセスは、「販売量よりも価格を優先する戦略」を引き続き徹底していきます。
ランクセスは、金融市場の動向と投資家の警戒感の広がりを注意深く観察し続けており、マクロ経済動向に対する不透明感が高まっているという判断をしています。
しかしながら、ハイトマンは加えて、次のように述べています。「ランクセスは過去に、卓越した戦略を展開し、従業員一丸となって、迅速かつ効果的に困難な環境へ対処した実績があります」
2011年度第2四半期 主要データ (単位:100万ユーロ)
| 2011年度第2四半期 | 2010年度第2四半期 | 変動率(%) |
売上高 | 2,243 | 1,828 | 23 |
特別項目調整前EBITDA | 339 | 269 | 26 |
特別項目調整前EBITDAマージン (%)
| 15.1 | 14.7 |
|
純利益 | 181 | 131 | 38 |
1株あたり利益 (EPS) 1€/株 | 2.17 | 1.57 | 38 |
*1 EBITDAは、税引前利益に、減価償却費、および支払利息を加算した金額です。
*2 EBITDAマージンは、売上高に対するEBITDAの比率です。
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これは、ドイツ・レバクーゼンで8月11日に発表されたリリースをもとに、ランクセス株式会社が発表したものです。
この原文(英語)は、以下のURLにてご参照下さい。 www.press.lanxess.com
ランクセスについて:
ランクセスは、世界30カ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカーです。2010年の総売上は71億ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約 15,800人、世界中に46の拠点を展開しています。主な事業は、プラスチック、合成ゴム、中間体、特殊化学品の開発、製造とマーケティングです。ランクセスについての詳細は同社URLにてご確認下さい。www.lanxess.co.jp
免責について (Forward-Looking Statements):
このニュースリリースには、ランクセス経営陣による現在の仮定と今後の予測に基づく記述があります。既知あるいは未知の各種リスクや不確定性、その他の要素により、本頁に記載された予測と弊社の今後の総合売上高、財務状況、業績の数字が異なる場合があります。弊社は、ニュースリリースの記載事項を更新、もしくは今後の出来事や進展状況に合わせ、内容を変更する義務はないものとします。
その他の情報:
ランクセスのニュースリリースは www.lanxess.co.jp の”プレスリリース”項目よりご覧ください。また、役員およびその他の写真は photos.lanxess.com (英語)より入手いただけます。ランクセスの動画および音声、ポッドキャストについては下記をご覧ください。http://corporate.lanxess.com/en/media/audio-video/ (英語)ランクセスのウェブマガジンは下記でご覧いただけます。
webmagazine.lanxess.com (英語)
(2011-00157J)