2012-06-06
ドイツの特殊化学品メーカーのランクセス(LANXESS)は、フランスのポートジェロームにある高性能ゴム製造拠点に投資することを発表しました。ランクセスは同拠点の生産性とエネルギー効率を向上するため、2015年までに3,000万ユーロを投資する予定です。ポートジェローム拠点では、主に「エコタイヤ」に使用される高性能ゴムのネオジウム触媒ポリブタジエンラバー(Nd-PBR)とソリューション・スチレン・ブタジエンラバー(SSBR)を製造しています。
ランクセスのCEOであるアクセル C. ハイトマンは、5月30日に行われた同拠点の50周年記念式典で次のように述べています。「ポートジェローム拠点の高性能ゴム製造は、ランクセスのグローバル戦略において重要な役割を担っています。ランクセスは革新と技術で世界的なメガトレンドをサポートしており、同拠点で特に力を入れているのが持続可能なモビリティに向けたソリューションです」
ランクセスは「エコタイヤ」向けの高性能合成ゴム市場における世界的なリーダーです。エコタイヤ市場は年間成長率約10%を示し、タイヤ産業において最も急速に成長している分野です。特にアジアと中南米地域では、メガトレンドであるモビリティが「エコタイヤ」の需要の原動力となっています。2012年11月より、EU(欧州連合)でタイヤのラベリング制度が義務化されるため、欧州においてもエコタイヤの需要は加速すると予想されます。ハイトマンは、「この新しいタイヤラベリング制度やそれに対応する顧客のニーズに応えるために、ランクセスの高性能ゴムは不可欠な存在です。タイヤ産業の世界最大のパートナーとして、戦略的な投資決定と製造能力拡大を進めることで、この需要増加に迅速に対応してきました」と述べています。ポートジェローム拠点の現在の年間製造能力は14万トンです。さらに、ランクセスは約2億ユーロを投じ、シンガポールにNd-PBRの新プラントを建設します。この新プラントは2015年に稼働開始予定です。
現在、世界のタイヤ生産量は約16億本ですが、2015年にはその数は約20億本になると予測されています。これは、タイヤ産業全体では約25%の増加となります。
燃費効率に優れた安全なタイヤに使用されるNd-PBRとSSBR
Nd-PBRは主に「エコタイヤ」のトレッドとサイドウォールに使用され、その他のタイヤ用ゴムと比較して、転がり抵抗低減のさらなる実現を可能にします。また、優れたタイヤ耐摩耗性を備え、車の安全性と耐久性の向上に重要な役割を果たしています。SSBRは主に「エコタイヤ」のトレッドコンパウンドに使用され、転がり抵抗を低減し、ウェットグリップ性能を向上します。「エコタイヤ」は、SSBRとNd-PBR両方を含むゴム配合により、それぞれの性能を最大に確保することができます。
1962年以来、1億ベールのゴムを製造
ポートジェローム拠点は、1962年にタイヤメーカーのファイヤーストーン社によって設立されました。ランクセスは、2004年に同拠点の所有権を獲得して以来、約3,000万ユーロを投資し、同プラントの近代化を図ってきました。ポートジェローム拠点では製造施設が稼働を開始して以来、50年間で約1億ベールのゴムが製造されました。
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これは、フランス・ポートジェローム/ドイツ・レバクーゼンで5月30日に発表されたリリースをもとに、ランクセス株式会社が発表したものです。
この原文(英語)は、以下のURLにてご参照下さい。 http://www.press.lanxess.com
ランクセスについて:
ランクセスは、世界30カ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカーです。2011年の総売上は88億ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約 16,800人、世界中に49の拠点を展開しています。主な事業は、プラスチック、合成ゴム、中間体、特殊化学品の開発、製造とマーケティングです。ランクセスは、持続可能性に優れた企業を選定する「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ワールド・インデックス(DJSI World)」および「FTSE4Good」の構成銘柄です。ランクセスについての詳細は同社URLにてご確認下さい。www.lanxess.co.jp
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