2012-05-10
成長軌道を継続
ドイツの特殊化学品メーカーのランクセス(LANXESS)は、2012年度第1四半期の業績を発表しました。第1四半期の特別項目調整前EBITDAは、前年同期比約15%増の3億6,900万ユーロを達成し、2012年度を好調にスタートしました。
連結売上高は、前年同期比約15%増の24億ユーロを達成しました。これは、高騰する原料価格を製品売価の上昇(9%の値上げ)により吸収したことが主な要因です。またDSM社からのEPDM「ケルタン(Keltan ®)」事業部門買収が、ポートフォリオ全体に好影響(7%増)を与えました。さらに、為替変動による有利な影響も2%、売上増に寄与しました。一方、販売量は非常に好調であった前年同期に比べ3%減となりました。
特別項目調整前EBITDAマージン*2は、15.5%と前年同期比で横ばいに推移し、純利益は、前年同期比16%増の1億9,300万ユーロとなりました。
ランクセスのCEOであるアクセル・ハイトマンは次のように述べています。「2012年も好調なスタートを切りました。これを踏まえて、2012年度の特別項目調整前EBITDAは、前年比5%から10%増を見込んでいます。ランクセスは、世界のメガトレンドと新興国市場をサポートするプレミアム製品と革新的な技術に注力する戦略が順調であると確信しています」
営業活動からのキャッシュフローは、前年同期の3,600万ユーロから1億2,900万ユーロに増加しました。2012年第1四半期末時点の純負債は、約15億ユーロとなりました。ランクセスのCFOであるベルンハルト・デュットマンは次のように述べています。「事業活動の活発化により正味運転資本が増加したにもかかわらず、2011年度末時点から純負債はほぼ横ばいとなっています。強固な財務基盤と収益性のある成長が引き続きランクセスの事業戦略の中核を成します」
地域別業績
EMEA(ドイツを除く欧州、中東、アフリカ)地域の売上高は、前年同期比9%増の6億9,900万ユーロを達成し、引き続き2012年度第1四半期もグループ最大の売上高を誇る地域となりました。同地域は、グループの総売上高の29%を占めています。特にロシアとポーランドが最大の売上成長率を示しました。
ドイツの売上高は、前年同期比5%増の4億1,600 万ユーロで、グループの総売上高の17%を占めます。
北米地域は最大の売上成長率を示し、前年同期比29%増の4 億2,300万ユーロを達成しました。グループの総売上高の18%を占めています。
中南米地域の売上高は、前年同期比23%増の3億100万ユーロで、グループの総売上高の13%を占めます。これは、ブラジルで確固とした基盤を構築したことが要因です。
アジア太平洋地域の売上高は、前年同期比19%増の5億4,900万ユーロで、グループの総売上高の23%を占めます。中国とタイが最大の売上成長率を示しました。
BRICS5カ国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の売上高は、前年同期比21%増の5億5,400万ユーロで、グループの総売上高の23%を占めます。
事業分野別の業績
パフォーマンスポリマーズ部門の売上高は、前年同期比28%増の14億ユーロを達成しました。これは製品売価の上昇と、2011年5月にEPDM「ケルタン」事業を買収したことが大きく貢献しました。特別項目調整前 EBITDA は、前年同期比28%増の2億5,500万ユーロを達成しました。ランクセスの高性能ゴムと高性能プラスチックが、自動車・タイヤ産業からの高い需要を維持しています。
自動車および電子産業向け高性能プラスチックの主要サプライヤーであるセミクリスタリンプロダクツビジネスユニットは、本日付けで、「ハイパフォーマンスマテリアルズ」ビジネスユニットに名称を変更します。この新しい名称は、自動車部品の軽量化により燃費向上に貢献する高性能プラスチックなど、同ビジネスユニットが提供する製品ポートフォリオの多様なメリットを反映したものです。
アドバンスト中間体部門の売上高は、前年同期比3%増の4 億2,900万ユーロでした。アドバンスト工業化学品とサルティゴの両ビジネスユニットは、農薬業界の継続する旺盛な需要を受けて好業績となりました。特別項目調整前 EBITDA は、建設、塗料、医薬品業界での需要の低迷を受けて、前年同期比7%減の7,000万ユーロとなりました。
パフォーマンスケミカルズ部門の売上高は、前年同期とほぼ横ばいの5億5,800万ユーロとなりました。製品売価の上昇と最近の事業買収による好影響が販売量の減少を相殺しました。特別項目調整前 EBITDA は、建設及び電子業界での需要の低迷に伴い、前年同期比8%減の8,300万ユーロとなりました。
今後の見通し
ハイトマンは、次のように述べています。「今年度の好調なスタートにより、2012年の順調な成長軌道に向けた土台を築きました」2012年度通年の特別項目調整前 EBITDA は、前年比5%~10%増(2011年:11億4,600万ユーロ)を予測しています。
しかしランクセスは、一部の先進国における高水準の公的債務とそれによる財政緊縮措置が、安定した経済発展を妨げる可能性があると考えています。不安定な為替変動、変動する原料及びエネルギーコストなどの不透明さは引き続き残ります。ランクセスは、「販売量よりも価格を優先する」戦略を継続します。
「ランクセスはさらに3部門全てにおいて新たな製造施設を稼働させます。また、ランクセスの顧客に向けたプレミアム製品を開発するために、革新と最新技術への注力をより強化していきます。ランクセスの合成ゴムと高性能プラスチックは、特に『グリーンモビリティ』分野において重要な役割を担っていくことでしょう」と、ハイトマンは加えて述べています。
*1 EBITDAは、税引前利益に、減価償却費、および支払利息を加算した金額です。
*2 EBITDAマージンは、売上高に対するEBITDAの比率です。
主要データ(単位:100万ユーロ)
| 2011年度 第1四半期 | 2012年度 第1四半期 | 変動率 (%) |
売上高 | 2,073 | 2,388 | 15.2 |
特別項目調整前 EBITDA | 322 | 369 | 14.6 |
特別項目調整前 EBITDAマージン(%) | 15.5 | 15.5 |
|
純利益 | 166 | 193 | 16.3 |
1株あたり利益(EPS) | €2.00 | €2.32 | 16.3 |
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これは、ドイツ・レバクーゼンで5月9日に発表されたリリースをもとに、ランクセス株式会社が発表したものです。
この原文(英語)は、以下のURLにてご参照下さい。 http://www.press.lanxess.com
ランクセスについて:
ランクセスは、世界30カ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカーです。2011年の総売上は88億ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約 16,700人、世界中に48の拠点を展開しています。主な事業は、プラスチック、合成ゴム、中間体、特殊化学品の開発、製造とマーケティングです。ランクセスは、持続可能性に優れた企業を選定する「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ワールド・インデックス(DJSI World)」および「FTSE4Good」の構成銘柄です。ランクセスについての詳細は同社URLにてご確認下さい。www.lanxess.co.jp
免責について (Forward-Looking Statements):
このニュースリリースには、ランクセス経営陣による現在の仮定と今後の予測に基づく記述があります。既知あるいは未知の各種リスクや不確定性、その他の要素により、本頁に記載された予測と弊社の今後の総合売上高、財務状況、業績の数字が異なる場合があります。弊社は、ニュースリリースの記載事項を更新、もしくは今後の出来事や進展状況に合わせ、内容を変更する義務はないものとします。
その他の情報:
ランクセスのニュースリリースは www.lanxess.co.jp の”プレスリリース”項目よりご覧ください。また、役員およびその他の写真は photos.lanxess.com (英語)より入手いただけます。ランクセスの動画および音声、ポッドキャストについては下記をご覧ください。corporate.lanxess.com/en/media/audio-video/ (英語)ランクセスのウェブマガジンは下記でご覧いただけます。
(2012-00047J)