2012-11-07
厳しいビジネス環境の中、2012年度通年の業績予測を確認
ドイツの特殊化学品メーカーのランクセス(LANXESS)は、2012年度第3四半期の業績を発表しました。厳しいビジネス環境にもかかわらず、ランクセスは2012年度通年の業績予測を確認し、特別項目調整前EBITDAは、前回発表時の予測範囲(前年比5%~10%増)の下限を達成するとの見通しを立てました。
第3四半期においてランクセスは、農薬製品の継続した旺盛な需要により恩恵を受けました。しかしながら、これはタイヤおよび自動車産業の需要の軟化を完全に相殺するには至りませんでした。
連結売上高は、販売量の低下と原料価格の下落に伴う製品売価の値下げにより、前年同期比8%減の22億ユーロとなりました。 有利な為替変動やポートフォリオ効果も、マイナス分を部分的に相殺するにとどまりました。
特別項目調整前EBITDAは、販売量の低下、製造施設の定期メンテナンス費用、そして結果的に発生する遊休設備費用により、前年同期比18%減の2億5,500万ユーロとなりました。第3四半期の特別項目調整前EBITDAマージンは、前年度の13.3%から11.8%へと減少し、純利益は、主に販売量と業績の低下により、前年同期比39%減の9,400万ユーロとなりました。
ランクセスのCEOであるアクセル・ハイトマンは次のように述べています。「第3四半期の結果は予測通りであると同時に、記録的な好業績を達成した前年同期と対比する結果となっています。ランクセスは、柔軟な資産管理や厳格なコスト縮減といった実績ある対策で、より厳しいビジネス環境に対応していきます」
2012年第3四半期末時点の純金融負債は、運転資本の減少により第2四半期の8%減となる約16 億ユーロでした。営業活動からのキャッシュフローも主に運転資本の減少が反映し、前年同期比の2倍以上の3億4,400 万ユーロとなりました。
地域別業績
EMEA(ドイツを除く欧州、中東、アフリカ)地域は、引き続きグループ最大の売上高を誇る地域となり、グループの総売上高の28%を占めています。売上高は前年同期比9%減の5億9,600万ユーロでした。イタリアとスペインの売上高は減少する一方で、ロシアでは成長を見せています。
ドイツの売上高は、前年同期比4%減の3億9,200 万ユーロで、グループの総売上高の18%を占めています。
北米地域の売上高は、前年同期比2%減の3億9,100万ユーロで、グループの総売上高の18%を占めています。
アジア太平洋地域の売上高は、前年同期比5%減の4億9,300万ユーロで、グループの総売上高の23%を占めます。これは中国圏での景気下降が主な要因です。
中南米地域の売上高は、前年同期比19%減の2億8,700万ユーロで、グループの総売上高の13%を占めます。
BRICS5カ国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の売上高は、前年同期比18%減の4億8,500万ユーロで、グループの総売上高の23%を占めます。
事業分野別の業績
パフォーマンスポリマーズ部門の売上高は、前年同期比17%減の12億ユーロでした。原料価格の下落により、特にブタジエンラバーの製品売価が前年同期比の12%減となり、さらには、販売量が11%減となりました。タイヤ買い替え市場やOEMタイヤ市場の販売量減少に伴い、特別項目調整前 EBITDAは前年同期比29%減の1億5,200万ユーロとなりました。製造施設の定期メンテナンス費用やそれによる遊休設備費用も、利益に影響を与えています。
一般的な合成ゴムとは対照的に、ネオジウム触媒ポリブタジエンラバー(Nd-PBR)やソリューション・スチレン・ブタジエン・ラバー(SSBR)といった高性能ゴムの需要は引き続き活発です。これらのゴムは「エコタイヤ」の製造に欠かせないもので、燃費性能の向上と二酸化炭素排出量を低減します。
欧州連合(EU)では、2012年11月1日からタイヤラベリング制度が導入されました。タイヤは、燃料効率(転がり抵抗)とウエットグリップの両性能において、AからGまでの等級付けが表示され、さらに走行時の騒音量についても明示されます。この新制度は、「エコタイヤ」の付加価値を明確化することで消費者にタイヤを識別するための透明性をもたらします。また同制度は、韓国でも2012年12月1日から導入される予定です。
アドバンスト中間体部門の売上高は、製品売価の上昇、販売量の増加、そして有利な為替変動の影響を受け前年同期比9%増の4億300万ユーロを達成しました。特別項目調整前EBITDAは、アドバンスト工業化学品とサルティゴの両ビジネスユニットが農薬業界の継続する旺盛な需要を受けて、前年同期比10%増の7,500万ユーロとなりました。
パフォーマンスケミカルズ部門の売上高は、有利な為替変動の影響と米国での最近の3件の買収によるポートフォリオ効果を受け、前年同期の6%増の5億5,500万ユーロとなりました。特別項目調整前 EBITDA は、7,500万ユーロとなり、前年同期比で横ばいに推移しました。無機顔料ビジネスユニットはアジアでの建設産業の好調に伴い、成長が続きます。ゴム薬品とラインケミーの両ビジネスユニットは、自動車産業の顧客向けの販売量が減少しました。
今後の見通し
ランクセスは第4四半期に経済環境がさらに悪化することはないと予測しています。そのため、ランクセスは2012年度通年の特別項目調整前EBITDAは、前回発表時の予測範囲(前年比5%~10%増)の下限になると見ています。2011年度の特別項目調整前EBITDAは、11億4,600万ユーロを達成しています。
第4四半期は、欧州における自動車産業が引き続き軟化し、北米と中国では緩慢なペースながら成長を続けると予測しています。タイヤ産業の需要は引き続き低迷し、農薬業界は安定した成長をみせると考えています。欧州での建設産業の成長は見られませんが、北米では多少の回復をみせると予測しています。ランクセスは「販売量よりも価格を優先する」戦略を着実に実行していきます。原料およびエネルギー価格は第4四半期では引き続き安定していると予測されています。
ハイトマンは、次のように述べています。「マクロ経済の現状にもかかわらず、ランクセスの事業の長期的な成長を支える要素は依然存在しています。ランクセスの技術に基づく製品で、引き続きメガトレンドを利用し、成長地域に注力します」
2012年度第3四半期 主要データ(単位:100万ユーロ)
| 2012年度 | 2011年度 | 変動率 |
売上高 | 2,159 | 2,336 | (7.6) |
特別項目調整 | 255 | 311 | (18.0) |
特別項目調整前
| 11.8 | 13.3 |
|
純利益 | 94 | 154 | (39.0) |
1株あたり利益(EPS) | 1.13 | 1.85 | (39.0) |
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これは、ドイツ・レバクーゼンで11月6日に発表されたリリースをもとに、ランクセス株式会社が発表したものです。この原文(英語)は、以下のURLにてご参照下さい。
ランクセスは、世界31カ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカーです。2011年の総売上は88億ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約 17,100人、世界中に49の拠点を展開しています。主な事業は、プラスチック、合成ゴム、中間体、特殊化学品の開発、製造とマーケティングです。ランクセスは、持続可能性に優れた企業を選定する「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ワールド・インデックス(DJSI World)」および「FTSE4Good」の構成銘柄です。ランクセスについての詳細は同社URLにてご確認下さい。www.lanxess.co.jp
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