2012-08-08
堅調な第2四半期を受けて2012年度の通年予測を確認
ドイツの特殊化学品メーカーのランクセス(LANXESS)は、2012年度第2四半期の業績を発表しました。第2四半期の特別項目調整前 EBITDAは、前年同期比6.8%増の3億6,200万ユーロ、連結売上高は、8.1%増の24億2,000万ユーロとなり、第1四半期に続いて好業績を達成しました。
ランクセスのCEOであるアクセル・ハイトマンは次のように述べています。「この結果は、季節的な傾向と判断しています。従って、前回発表した2012年度通年の業績予測(特別項目調整前EBITDA:前年比5%~10%増)を据え置くこととします。ますます厳しくなる環境の中で、ランクセスは、メガトレンドと成長地域に注力し、技術的専門知識を結集することで安定した経営を実現しています」
連結売上高の増加は、為替変動と製品売価の上昇が主な要因です。全部門において高騰する原料価格を製品売価の上昇により吸収しました。特別項目調整前 EBITDAマージンは、14.9%と前年同期比で横ばいに推移しました。純利益は、パフォーマンスケミカルズ部門の再編措置により前年同期比3%減の1億7,600万ユーロとなりました。
純負債は、2011年度末から14.7%増加し、約17億4,000万ユーロとなりました。営業活動によるキャッシュフローは、事業活動の活発化により運転資本が増加したこともあり、4,900万ユーロのマイナスとなりました。
地域別業績
アジア太平洋地域の売上高は、前年同期比約24%増の6億800万ユーロで、グループの総売上高の25%を占めます。パフォーマンスポリマーズ部門は、2桁台の大幅な成長率で好調な業績を達成しました。同地域の持続的な伸びは、売上高において前年同期比31%増を達成した中華圏が牽引しています。
北米地域の売上高は、前年同期比19%強の増加で4億3,900万ユーロとなり、グループの総売上高の18%を占めます。全部門が1桁台前半の成長率を示し、米国が同地域の主な成長ドライバーとなりました。
中南米地域の売上高は、前年同期比約8%増の3億3,100万ユーロを達成し、グループの総売上高の14%(前年同期と同比率)を占めます。同地域ではブラジルが引き続き最も大きな原動力となりました。
EMEA(ドイツを除く欧州、中東、アフリカ)地域は、引き続き第2四半期もグループ最大の売上高を誇る地域となり、グループの総売上高の27%を占めます。売上高は、特にイタリア、スペインの景気下降を受けて前年同期比2%強の減少で6億5,000万ユーロとなりました。一方で、ロシアでは有望な成長が見られました。
ドイツの売上高は、前年同期比4%弱の減少で3億9,600万ユーロとなり、グループの総売上高の16%を占めます。
BRICS5カ国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の売上高は、前年同期比14%強の増加となり、5億9,700万ユーロを達成しました。グループの総売上高の約25%を占めます。
事業分野別の業績
パフォーマンスポリマーズ部門の売上高は、前年同期比11%強の増加で14億3,000万ユーロを達成しました。高騰する原料価格(特にブタジエン及びイソブチレン)は、迅速な製品売価の上昇により吸収しました。EPDM「ケルタン(Keltan®)」事業部門買収による好調なポートフォリオ効果と有利な為替変動が好業績に大きく貢献しました。特に、アジア太平洋地域は、堅調な成長の牽引役となりました。特別項目調整前EBITDAは、前年同期比12%強の増加となり2億5,700万ユーロとなりました。
アドバンスト中間体部門の売上高は、建設及び塗料業界からの需要が引き続き低迷している中、農薬製品への旺盛な需要に支えられ、前年同期比1%の微増となり3億9,900万ユーロとなりました。高騰する原料価格は、製品売価の上昇により完全に吸収しました。全体の業績において、顕著な売上成長率を達成した北米地域が牽引役となりました。特別項目調整前EBITDAは、前年同期比22%増の7,900万ユーロとなりました。
パフォーマンスケミカルズ部門の売上高は、前年同期比4%強の増加となり5億8,500万ユーロとなりました。同部門においても高騰する原料価格は、製品売価の上昇により完全に吸収しました。特別項目調整前EBITDAは、前年同期比約18%減となり7,800万ユーロとなりました。収益は、建設及び電子・電機業界からの注文の減少及び複数のビジネスユニットの工場設備のメンテナンスによる運転停止により減少しました。
今後の見通し
ランクセスは、2012年度の事業活動において通常の季節循環的傾向が続くと予測しています。従って、特別項目調整前EBITDAにおける上半期/下半期比率は60:40と見ています。厳しさを増す経済状況を考慮し、ランクセスは下半期においてさらなる拡大は期待できないと予測しています。
「従って、ランクセスは、2012年下半期の利子税引前利益(EBIT)は、前年同期比でほぼ横ばいに推移すると予測しています」とハイトマンは述べています。
欧州においては、ユーロ債務危機により経済低迷が続くと、ランクセスは予測しています。アジア及びラテンアメリカの経済成長は、緩やかなものとなると見ています。米国の経済は、より緩慢な成長ペースになる可能性もありますが、恐らく引き続き拡大すると考えています。
下半期も引き続き、変動する原料およびエネルギーコストの不透明さは残ります。ランクセスは、「販売量よりも価格を優先する」戦略を継続します。
さらにランクセスは、上半期に成長を続ける市場においてさらなる戦略的投資プロジェクトをスタートしました。その結果、設備投資予算額は、当初6億ユーロを計上していましたが、6億5,000万ユーロから7億ユーロとなる見込みです。
「昨年、ランクセスは記録的な業績を達成しました。さらに、2012年度は、第2四半期の好業績を受けて、前年度を上回る結果を達成する軌道上にあります」とハイトマンは述べています。
2012年度第2四半期 主要データ(単位:100万ユーロ)
| 2012年度 第2四半期 | 2011年度 第2四半期 | 変動率(%) |
売上高 | 2,424 | 2,243 | +8.1 |
特別項目調整前EBITDA | 362 | 339 | +6.8 |
特別項目調整前 | 14.9 | 15.1 |
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純利益 | 176 | 181 | (2.8) |
1株あたり利益(EPS) | 2.11 | 2.17 | (2.8) |
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これは、ドイツ・レバクーゼンで8月7日に発表されたリリースをもとに、ランクセス株式会社が発表したものです。
この原文(英語)は、以下のURLにてご参照下さい。 www.press.lanxess.com