ランクセス、「世界化学年」を祝福

ドイツの特殊化学品メーカー、ランクセス（LANXESS）は、世界的イベントである2011年世界化学年（IYC）にあたり、人々の生活と未来に恩恵をもたら 化学の理解促進のための講演や交流活動に取り組みます。

国際純正・応用化学連合（IUPAC）と国際連合教育科学文化機関（UNESCO）が中心団体となり推進する世界化学年は、1月27日ユネスコの本部（ リ）での開会式を幕開けとして、1年にわたり行事が開催されます。2011年という年は、1911年にマリア・スクロドフスカ＝キューリー女史にノーベル化学賞が 与されてから100周年にあたり、またIUPACの創立100周年にもあたります。

ランクセスは、若者に化学への興味を喚起し、社会に対して日常の生活に化学がもたらす恩恵の理解増進を図るため、世界中で一連の活動を計画しています 世界化学年を祝福するにあたり、当社は、シンガポールを主要拠点としています。現在、シンガポールにブチルラバービジネスユニットのグローバル事業本部を構え ジュロン島にブチルゴムプラントを建設中です。投資額約4億ユーロ（5億7,500万米ドル）を見込む新プラントは、この分野においてはアジア最大となります。

ランクセスのコーポレートコミュニケーションズ部門、アジア太平洋地域統括のケイ・リム（Kaye Lim）は、次のように述べています。「若者をはじめ社会全体が
化学が私達のあらゆる生活の中で活かされていることをあまり意識していません。シンガポールにおいてランクセスが提唱する『化学をもっと身近に』のスローガンの下 化学がいかに人類・環境両面の向上に貢献しているかを知っていただくために、若者や一般の方々を対象に講演の開催や体験活動を予定しています。これら
連の活動はランクセスをより多くの人々に知ってもらうこと、そして現在の社会的および世界的メガトレンドの将来に重要な役割を果たす化学分野で少しでも多く 方々に仕事に携わってもらうことが長期的なねらいです」

今後、ランクセスの事業の中核となる4つのメガトレンドとして、急速に進む車社会化、拡大する都市化、水資源への高まる需要、食料の需要増を支える農業 とりあげていきます。

急速に進む車社会化
主に、中国、インド、その他の広大な面積を持つ発展途上国において急速に進む車社会化は、最も大きなメガトレンドの1つです。急速に成長する生産産業 自動車の一層の普及率が特徴であるインド、中国、ブラジルは、世界有数の自動車大国となりつつあります。しかし、このトレンドにおいて、気候変動対策が大 な課題となっています。

合成ゴムの発明者であるランクセス*1 は、タイヤ業界で最も急速に成長している分野である性能タイヤおよび高性能タイヤの有数のサプライヤーです。ランクセ の高性能ゴムから製造されたタイヤは、優れた耐横滑り性および転がり抵抗を低減する特性を備えています。これにより、湿潤路面での安全性を一層確保する ともにさらなる低燃費を実現します。
*1 ランクセスの前身である、かつてのエルバーフェルダ・ファルベンファブリーケン・フリードリヒ・バイエル社の社員、化学者のフリッツ・ホフマンによる発明

車の走行性向上を図るうえで、軽量化を実現するための近代工学は不可欠です。安全性を損なうことなく重量軽減を実現する新素材は、自動車分野だけで く、航空および鉄道輸送分野においてもメリットがあります。

金属とプラスチックが一体化された複合材料は、軽量化の実現だけでなく、従来の金属薄板に比べて多くの点で優れています。例えば、ランクセスのセミクリスタリ プロダクツビジネスユニットは、燃費効率の向上、衝突安全性能、デザインなどにおいて、自動車業界と密に連携をとっています。ランクセスのデュレタ （Durethan）プラスチック製品は、最新のいくつかのアウディモデル向けの射出成形品の製造に採用されています。それにより、モジュール重量は最大50 の軽量化を達成しました。

化学は、燃料の製造工程においても重要な役割をはたしています。再生可能な原料から製造されたバイオディーゼル燃料は、燃焼時のCO2 排出量が植物 光合成で大気中から吸収するCO2 と同じとなるため、カーボンニュートラルの車社会化に貢献します。

化学物質を用いることで、ほとんどの油を環境に優しいバイオディーゼル燃料に処理することが可能です。ランクセスのバイノックス（Baynox）等の特殊酸 防止剤は、これらのバイオディーゼル燃料の一層の長期保存を可能にします。特に大豆やインドで大量栽培されるジャトロファから抽出されるような酸化劣化しや い油は、これらの添加剤を使用することで日常の使用に適したバイオディーゼル燃料への加工を可能にします。これにより、車社会化を支える新しい燃料として 物性油の使用が可能となり、これらの作物を栽培する農家に安定収入をもたらし、気候変動に影響を及ぼさない車社会化に貢献します。

拡大する都市化
世界的な傾向として、ますます多くの人々が大都市に移動しています。国連は、2070年までに都市域が世界人口の約70％を占めると予測しています。

幸いなことに、化学分野は、この困難な課題を解決するために取組んでいます。例えば、ランクセスの建築用化学製品は、環境に配慮し、建築材料の美観を つだけでなく、耐久性も向上します。例えば、バイフェロックス（Bayferrox）製品群は、主にコンクリートに暖かみと彩りを与えることから、世界中で80 以上にわたって使用されてきた実績があります。

ランクセスは、急成長する巨大都市における人口増加に伴い、インフラ整備の取組みに貢献しています。難燃性の電気設備および高効率配線用の材料、外 照明における新しい可能性を開く透明ゴム等の革新的なソリューションなど、多くの分野で都市化の課題に迅速に対応しています。

水資源への高まる需要
清浄水の不足は、世界的な課題となっています。専門家は、人口増加、大気汚染、気候変動がこの世界的な課題をより深刻化すると予測しています。調査 は、20年後の清浄水の需要量は、現在の供給量を約40％上回ると示しています。数十年以内に、水は石油と同様に価値ある資源となるでしょう。

ランクセスの製品および製造工程は、すでに世界中で水処理のために使用され、企業および地域社会において水が最大限有効活用されるよう貢献しています。 ンクセスの製品は、飲料水、廃水、工業用プロセス水などの浄化と処理において重要な役割を担っています。例えば、ランクセスの高性能イオン交換樹脂である バチット（Lewatit）製品群は、飲料水に含有するヒ素などの有毒不純物の除去やリサイクル処理による節水を可能にします。

食料の需要増を支える農業
増加する世界人口に伴う食料需要の増大に対応するため、世界的に食料の生産に一層注力する必要があります。実際、国際農業開発基金（IFAD）によ と、世界人口が90億人を越える2050年までに、生産量を約70%引き上げる必要があると予測しています。しかし、これは簡単に出来ることではありません。

20世紀中頃から、農業分野において1ヘクタールあたりの生産性の大幅な向上を達成しています。機械化、灌漑（かんがい）、高度な品種改良技術と平行し 、化学産業のソリューションも栽培面積を大幅に増加することなく、多くの人々の栄養改良に一層貢献しています。効果的な施肥と病害虫予防の併用した取 みが、世界中の食料供給の安定化を図っていることは明確です。

これは、1月28日に発表されたリリースをもとに、ランクセス株式会社が発表したものです。 この原文（英語）は、以下のURLにてご参照下さい。http://www.press.lanxess.com

ランクセスについて
ランクセスは、世界24カ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカーです。2009年の総売上は50億6,000万ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約 14,700人、世界中に45の拠点を展開しています。主な事業は、プラスチック、合成ゴム、中間体、特殊化学品の開発、製造とマーケティングです。ランク スについての詳細は同社URLにてご確認下さい。http:// www.lanxess.co.jp

本件に関するお問い合わせ先：
ランクセス株式会社 コーポレートコミュニケーションズ
TEL : 03-5293-8005 FAX : 03-5219-9773
lanxess.japan@lanxess.com

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