2018-08-03
好調な第2四半期を受けて、2018年度の業績予測を発表
ドイツの特殊化学品メーカーのランクセス(LANXESS)は、2018年度第2四半期の業績を発表しました。ランクセスは、好調な第2四半期を受けて、2018年度通期の業績予測は、5月の業績発表時の予測範囲(前年比5%~10%増)の上限に近い値を達成するとの見通しを立てました。前年度の特別項目を除いたEBITDAは、約9億2,500万ユーロを達成しています。ランクセスとサウジアラムコ社による合成ゴムの合弁会社であるアランセオ部門は、2018年度の業績予測には含まれず、今四半期よりランクセスグループの売上高および業績から切り離して報告されます。
2018年度の第2四半期の連結売上高は、前年同期比6.8%増の18億3,000万ユーロ(前年同期:17億1,000万ユーロ)となり、特別項目を除いたEBITDAは、前年同期比3.6%増の2億9,000万ユーロ(前年同期:2億8,000万ユーロ)となりました。この好業績は、主に3つの要因が牽引しました。第一に、買収したケムチュラ事業の貢献が挙げられます。同社の買収が、スペシャリティアディティブス部門に大きく貢献し、記録的な四半期業績を達成しました。第二に原料費の高騰により製品価格を調整したこと、第三にケムチュラ事業の統合によるシナジー効果が収益に好影響を与えたことが挙げられます。特別項目を除いたEBITDAマージンは、為替のマイナスの影響にも関わらず15.9%(前年同期:16.4%)と堅調に推移しました。
ランクセスのCEOであるマティアス・ツァハトは、次のように述べています。「ランクセスの業績は好調で、当社の近年の戦略的決定が効果をもたらしていることは明らかです。例えば、買収したケムチュラ事業はこの1年間の業績に組み込まれ、アディティブス部門の第2四半期の記録的な業績達成に大きく貢献しました。従って、米ドル安および地政学的リスクによる向かい風にも関わらず、当社の通期のEBITDAは予測範囲の上限を達成すると見込んでいます」
純利益は、1億2,600万ユーロとなり、前年同期比で大幅に向上しました。前年同期は、特別費用を計上したため300万ユーロでした。純利益の内訳は、ランクセスの4部門が9,700万ユーロ、非継続事業であるアランセオ事業が2,900万ユーロとなります。
部門別の業績
アドバンスト中間体部門の2018年度の第2四半期の売上高は、前年同期比8.1%増の5億4,600万ユーロ(前年同期:5億500万ユーロ)となりました。特別項目を除いたEBITDAは、前年同期と横ばいの9,700万ユーロとなりました。原料およびエネルギー価格の高騰(特に、一部は大幅な高騰)により、製品価格への転嫁を行いました。昨年、ケムチュラ社買収時に獲得した有機金属化合物事業が業績に貢献しました。一方で、為替のマイナスの影響が業績の伸びをおさえました。特別項目を除いたEBITDAマージンは、17.8%(前年同期:19.2%)となりました。
スペシャリティアディティブス部門の売上高は、前年同期比 15.2%増の5億800万ユーロ(前年同期:4億4,100万ユーロ)となり、特別項目を除いたEBITDAは、前年同期比21.3%増の9,100万ユーロ(前年同期:7,500万ユーロ)となりました。この好業績の要因は、買収したケムチュラ事業の貢献および事業統合によるシナジー効果によるものです。特別項目を除いたEBITDAマージンは、17.9%(前年同期:17.0%)となりました。
パフォーマンスケミカルズ部門の売上高は、前年同期比3%減の3億5,600万ユーロ(前年同期:3億6,700万ユーロ)となりました。物質保護剤ビジネスユニットの二酸化塩素消毒ソリューション事業を昨年売却したため、売上高が減少しました。特別項目を除いたEBITDAは、前年同期比27.5%減の5,800万ユーロ(前年同期:8,000万ユーロ)となりました。皮革用化学品ビジネスユニットのクロム鉱石事業の継続する低迷、為替のマイナスの影響、原料価格の高騰が利益を引き下げました。特別項目を除いたEBITDAマージンは、16.3%(前年同期:21.8%)となりました。
エンジニアリングマテリアルズ部門の売上高は、前年同期比10.5%と大幅増の3億9,900万ユーロ(前年同期:3億6,100万ユーロ)、特別項目を除いたEBITDAは、前年同期比12.5%増の8,100万ユーロ(前年同期:7,200万ユーロ)となりました。この好業績の要因は、特に軽量化構造向けの高性能プラスチックの販売量の増加および買収したケムチュラ社のウレタン事業の貢献によります。従って、特別項目を除いたEBITDAマージンは、20.3%(前年同期:19.9%)となりました。
2018年度第2四半期 主要データ(単位:100万ユーロ)
| 2017年度 第2四半期 | 2018年度 第2四半期 | 変動率(%) |
売上高 | 1,712* | 1,829 | 6.8 |
特別項目を除いたEBITDA | 280* | 290 | 3.6 |
特別項目を除いたEBITDA マージン(%) | 16.4* | 15.9 |
|
純利益 | 3 | 126 | >100 |
1株あたり利益(EUR) | 0.04 | 1.38 | >100 |
* 2017年度第2四半期の数値はアランセオ部門を除外した数値
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これは、ドイツ・ケルンで8月2日に発表されたリリースをもとに、ランクセス株式会社が発表したものです。
この原文(英語)は、以下のURLにてご参照下さい。 http://www.press.lanxess.com
ランクセスについて
ランクセスは、世界25カ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカーです。2017年の総売上は97億ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約 19,200人、世界中に74の拠点を展開しています。主な事業は、中間体、特殊化学品、プラスチックの開発、製造とマーケティングです。ランクセスは、持続可能性に優れた企業を選定する「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス」のワールド・インデックス(DJSI World)、ヨーロッパ・インデックス(DJSI Europe)および「FTSE4Good」の構成銘柄です。
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