2018-03-19
2017年度は過去最高の業績達成、新年度も好スタート
ドイツの特殊化学品メーカーのランクセス(LANXESS)は、2017年度通期の業績を発表しました。ランクセスは、2017年度は過去最高の業績を達成し、さらには新年度も好スタートをきりました。
2017年度通期の特別項目を除いたEBITDAは、前年比29.6%増の12億9,000万ユーロ(前年:9億9,500万ユーロ)と過去最高の結果を達成し、業績予測範囲(12億5,000万ユーロから13億ユーロ)の上限に近い結果となりました。
この好業績の主な要因は、全部門で販売量が増加したことと、前年度に買収したケムチュラ事業が大きく貢献したことです。特別項目を除いたEBITDAマージンは13.3%(前年:12.9%)に増加し、中期目標にさらに近づいています。ランクセスは2021年度以降、同マージンの平均を14%から18%と見込んでいます。ランクセスグループの連結売上高も、前年比25.5%増の96億6,000万ユーロ(前年:77億ユーロ)となりました。
純利益は、8,700万ユーロ(前年:1億9,200万ユーロ)となりました。この減少は、特にケムチュラ事業の統合、製造ネットワークおよびバリューチェーンの統合による大幅な特別費用、そして米国の税制改正を受けた一時的な費用が発生したことによります。これらの特別項目および繰延税金資産の取り崩し調整前の純利益は、前年比53.9%増の3億7,900万ユーロ(前年:2億4,600万ユーロ)となりました。
今回報告の主要財務比率は市場動向に沿っています。
ランクセスのCEOであるマティアス・ツァハトは、次のように述べています。「ランクセスにとって昨年度は、飛躍的な経営戦略上の成功を収めた一年となり、将来に向けた強固な基盤を構築できました。ランクセスにとって過去最大の買収であったケムチュラ事業の買収が順調に完了し、これによって、ポートフォリオの質も大幅に向上しました。このポートフォリオ構成で、ランクセスは記録的な業績を達成し、さらにはランクセスグループの収益性が大幅に向上しました」
2017年度の増配提案
2017年度の好業績は、増配提案にも反映される予定です。ランクセスの経営委員会と監査委員会は、2018年5月15日に開催予定の年次株主総会において2017年度の配当金として1株あたり0.8ユーロ(前年比14%増)を提案する予定です。この場合、配当総額は約7,320万ユーロとなります。
ドイツ拠点の強化、成長地域の売上高が増加
ランクセスは、この買収に加えて、2017年度に有機的成長も加速されました。ランクセスは、グローバル プラント ネットワークに約5億5,000万ユーロ(ドイツ拠点への2億3,500万ユーロを含む)を投資しました。さらに、2017年度に事業のリージョンバランスを図ることも進めています。ランクセスは引き続き、成長地域である北米およびアジアにおけるプレゼンスを強化し、売上高の拡大を図っています。ランクセスの総売上高に占める北米の売上高は、17%から19%に増加し、アジア太平洋地域は26%から28%に増加しました。つまり、現在これらの2つの市場地域における売上高が、ランクセスの売上高のほぼ半分を占めていることになります。
部門別の業績
アドバンスト中間体部門の2017年度の売上高は、前年比13.1%増の19億7,000万ユーロ(前年:17億4,000万ユーロ)となり、特別項目を除いたEBITDAは、前年比2.8%増の3億3,500万ユーロ(前年3億2,600万ユーロ)となりました。中間体の販売量の増加がこの好業績に繋がりました。一方で、農業部門における需要の低迷および為替の変動がこの好業績に影響を及ぼしました。特別項目を除いたEBITDAマージンは、17%(前年:18.7%)となりました。
スペシャリティアディティブス部門の売上高は、前年の約2倍にあたる90.7%の大幅増となり16億ユーロ(前年:8億4,100万ユーロ)となりました。特別項目を除いたEBITDAも引き続き好調で、前年比76.8%増の2億6,700万ユーロ(前年1億5,100万ユーロ)となりました。この収益増の要因は、ケムチュラ社の添加剤事業の統合によるもので、販売量の増加も収益に貢献しました。<s style="text-line-through:double"></s>
特別項目を除いたEBITDAマージンは、16.6%(前年:18.0%)となりました。
パフォーマンスケミカルズ部門の売上高は、前年比10.5%増の14億4,000万ユーロ(前年:13億ユーロ)となり、特別項目を除いたEBITDAは、前年比13%増の2億5,200万ユーロ(前年:2億2,300万ユーロ)となりました。この収益増は、主に販売量の増加によるものです。2016年度にケマーズ社から買収した衛生・消毒用特殊製品事業も収益に大きく貢献しました。その結果、特別項目を除いたEBITDAマージンは、17.5%(前年:17.1%)と増加しました。
エンジニアリングマテリアルズ部門の売上高は、前年比29.4%増の13億7,000万ユーロ(前年:10億6,000万ユーロ)となり、特別項目を除いたEBITDAは、前年比37.7%となる大幅増の2億1,900万ユーロ(前年:1億5,900万ユーロ)となりました。これは、ケムチュラ社買収の一環として獲得したウレタン事業、製品価格の値上げ、販売量の増加が寄与しました。その結果、特別項目を除いたEBITDAマージンは、16%(前年:15.1%)と増加しました。
アランセオ部門の売上高は、前年比19.2%増の32億3,000万ユーロ(前年:27億1,000万ユーロ)となり、特別項目を除いたEBITDAは、前年比3.2%増の3億8,500万ユーロ(前年:3億7,300万ユーロ)となりました。継続する厳しい競争環境、原料価格の大幅な変動および米ドル安が収益に影響を及ぼしました。特別項目を除いたEBITDAマージンは、11.9%(前年:13.8%)となりました。
2018年度の見通し:アランセオ部門を非継続事業として会計報告
2017年度の好業績を受け、新年度も引き続き好スタートをきりました。2018年度は、ランクセスにおける会計処理の変更により、ゴム事業の合弁会社として設立されたアランセオ部門が2018年度第2四半期より非継続事業として、その他の継続事業(アドバンスト中間体、スペシャリティ アディディブス、パフォーマンス ケミカルズ、エンジニアリング マテリアルズ)とは切り離し、引き続き連結決算の一部として報告されます。その他4部門で構成される「新ランクセス」の特別項目を除いたEBITDAは全体的に微増すると見ています。尚、2017年度通年のアランセオ部門を除外した、特別項目を除いたEBITDAは9億2,500万ユーロとなります。
ランクセスは2018年5月4日に行われる第1四半期業績発表の際、例年通り、通期の業績予測についても明らかにする予定です。
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これは、ドイツ・ケルンで3月15日に発表されたリリースをもとに、ランクセス株式会社が発表したものです。
この原文(英語)は、以下のURLにてご参照下さい。 http://www.press.lanxess.com
ランクセスについて
ランクセスは、世界25カ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカーです。2017年の総売上は97億ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約 19,200人、世界中に74の拠点を展開しています。主な事業は、中間体、特殊化学品、プラスチックの開発、製造とマーケティングです。また、ランクセスは、サウジアラムコ社との合弁会社ARLANXEO(アランセオ)を通して、合成ゴムを提供するリーディングサプライヤーです。ランクセスは、持続可能性に優れた企業を選定する「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス」のワールド・インデックス(DJSI World)、ヨーロッパ・インデックス(DJSI Europe)および「FTSE4Good」の構成銘柄です。
ランクセスについての詳細は同社URLにてご確認下さい。
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