2019-03-15
2018年度は好業績を達成し、新年度も順調なスタート
ドイツの特殊化学品メーカーのランクセス(LANXESS)は、2018年度通期の業績を発表しました。ランクセスは、2018年度は好業績を達成し、特別項目を除いたEBITDAは前年比9.8%増の10億1,600万ユーロとなりました。これは、業績予測の通り、前年比5〜10%増(2017年度:9億2,500万ユーロ(アランセオ除く))の上限に近い値を達成した結果となりました。
ランクセスのCEOであるマティアス・ツァハトは、次のように述べています。「経済的な逆風が強まるなか、ランクセスは掲げた目標を達成し、戦略上および運営上、順調に前進しました。特殊化学品に明確に焦点を合わせることで、従来以上に、利益率、安定性、競争力が向上し、成果をもたらしています」
この好業績の主な要因は、アドバンスト中間体部門、スペシャリティアディティブス部門、エンジニアリングマテリアルズ部門の経営基盤強化だけでなく、ケムチュラ社およびソルベイ社から買収したリン添加剤事業の統合も貢献しました。特別項目を除いた EBITDAマージンは、14.1%となりました。
ランクセスグループの連結売上高は、前年比10.2%増の71億9,700万ユーロ(前年:65億3,000万ユーロ)となり、純利益は4億3,100万ユーロ(前年:8,700万ユーロ)と大幅増となりました。これは前年度より好業績であったことと、アランセオの全保有株式50%を売却したことが主な要因です。また、前年度の純利益には一時的な費用の計上が影響しているためです。
2018年度も増配提案
2018年度の好業績は、増配提案にも反映される予定です。ランクセスの経営委員会と監査委員会は、2019年5月23日に開催予定の年次株主総会において2018年度の配当金として1株あたり前年比12.5%増の0.9ユーロを提案する予定です。
2018年度の戦略的なマイルストーン:ゴム事業の売却完了
2018年度末、ランクセスは事業再構築においてさらなるマイルストーンを達成しています。12月31日、ランクセスは、合成ゴム事業の合弁会社アランセオの全保有株式50%を元合弁会社のパートナーであるサウジアラムコ社に売却しました。両社は、2016年4月1日付けで合弁会社を設立しています。ランクセスは、サウジアラムコ社から出資金額約14億ユーロを受け取り、その内、年金債務に約2億ユーロ、自社株買い戻しプログラム(現会計年度で完了予定)に約2億ユーロを充てています。
ランクセスのCFOであるミヒャエル・ポンツェンは、次のように述べています。「ランクセスは、アランセオの株式の売却により財務基盤の一層の強化を図りました。さらに、有機的成長および買収を通して成長を加速し新たな事業拡大を図っています」
ほぼ全部門が好業績達成
2018年度のアドバンスト中間体部門の業績は、継続する厳しい農業市場にも関わらず、堅調に推移しました。売上高は、前年比11.7%増の22億700万ユーロ(前年:19億7,500万ユーロ)となりました。特別項目を除いた EBITDAは、前年比7.2%増の3億5,900万ユーロ(前年:3億3,500万ユーロ)、特別項目を除いた EBITDAマージンは、16.3%の微減となりました(前年:17%)。
スペシャリティアディティブス部門の売上高と営業利益は、ケムチュラ社およびソルベイ社から買収した事業の統合により大幅に増加しました。売上高は、前年比22.9%増の19億8,000万ユーロ(前年:16億1,100万ユーロ)となりました。特別項目を除いた EBITDAは、前年比28.5%の大幅増で3億4,300万ユーロ(前年:2億6,700万ユーロ)、特別項目を除いた EBITDAマージンは、17.3%(前年:16.6%)となりました。
パフォーマンスケミカルズ部門の売上高と営業利益は、好調であった前年度より減少となりました。これは特に皮革および建設業界の低迷によるものです。売上高は、前年比6.3%減の13億4,900万ユーロ(前年:14億3,900万ユーロ)となりました。特別項目を除いた EBITDAは、前年比25.8%減の1億8,700万ユーロ(前年:2億5,200万ユーロ)、特別項目を除いた EBITDAマージンは、13.9%(前年:17.5%)となりました。
エンジニアリングマテリアルズ部門の売上高および営業利益は大幅に増加しました。これは、軽量化構造向けプラスチックの利益性の高い事業によるものです。ケムチュラ社買収の一環として獲得したウレタン事業も業績に貢献しました。売上高は、前年比15.4%増の15億7,600万ユーロ(前年:13億6,600ユーロ)となりました。特別項目を除いた EBITDAは、前年比21.9%と大幅増の2億6,700万ユーロ(前年:2億1,900万ユーロ)、特別項目を除いた EBITDAマージンは、16.9%(前年:16%)となりました。
全部門における業績は、前年度と比べて為替のマイナス影響(特に米ドル安)も受けています。
2019年度の見通し:低迷する経済にも関わらず堅調に推移
ランクセスは、低迷する経済にも関わらず、2019年は好調なスタートをきりました。ランクセスは、2019年度通年の特別項目を除いたEBITDAは、前年度と同水準と予測しています。
ランクセスは、2019年5月14日に行われる第1四半期業績発表の際、通期の業績予測についても明らかにする予定です。
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これは、ドイツ・ケルンで3月14日に発表されたリリースをもとに、ランクセス株式会社が発表したものです。
この原文(英語)は、以下のURLにてご参照下さい。 http://www.press.lanxess.com
ランクセスについて
ランクセスは、世界33カ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカーです。2018年の総売上は72億ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約 15,400人、世界中に60の拠点を展開しています。主な事業は、中間体、特殊化学品、プラスチックの開発、製造とマーケティングです。ランクセスは、持続可能性に優れた企業を選定する「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス」のワールド・インデックス(DJSI World)、ヨーロッパ・インデックス(DJSI Europe)および「FTSE4Good」の構成銘柄です。
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