2020-11-06
堅調な業績を受け、2020年度通期の業績予測を確認
ドイツの特殊化学品メーカー、ランクセス(LANXESS)は、2020年度第3四半期の業績を発表しました。ランクセスは、新型コロナウイルスの影響にもかかわらず、堅調な業績を維持しました。第3四半期を受け、2020年度通期の業績予測は8億2,000万ユーロ〜8億8,000万ユーロを見込んでおり、前回予測(8億ユーロから9億ユーロ)の範囲を狭めました。
ランクセスのCEOであるマティアス・ツァハトは、次のように述べています。「ランクセスは、コロナ禍の厳しい環境においても堅調を維持し、2020年度通期の業績を確認しました。従って、私たちが今春に発表した予測を継続したいと思います。昨今の不安定で不確実性の高まる環境下において、この業績はランクセスチームが一丸となって成し得た大きな成果です。私はこの成果を誇りに思っています」
ランクセスは、新型コロナウイルスのパンデミック下における従業員の素晴らしい貢献に対して特別ボーナスを支給する予定です。ツァハトは述べています。「特に、プラントに従事するランクセス従業員には、危機下においても事業を安定的に運営できるように重要な業務を担ってくれました。プラントの従業員をはじめとし、過去数ヶ月において特に貢献してくれた従業員に感謝の意を込め特別ボーナスを支給します」ランクセスは、このために合計1千万ユーロ弱を見込んでおり、従業員ごとに報酬額は異なります。特別ボーナスの支給はドイツでは12月に予定されていますが、各国で異なります。
新型コロナウイルスが業績に影響
新型コロナウイルスのパンデミックが引き続き第3四半期の業績に影響を与えており、特別項目を除いた EBITDAは前年同期比28.3%減の1億9,300 万ユーロ(前年同期:2億6,900万ユーロ)となり、特別項目を除いた EBITDA マージンは13.2%(前年同期:15.8%)と減少しました。主な要因は、新型コロナウイルスのパンデミックに加えて、ベルギー拠点における大規模な定期メンテナンスによる稼働停止、販売価格の引き下げ、為替のマイナスの影響(特に米ドル)によるものです。一方で、コンシューマープロテクション部門の業績は引き続き好調となりました。また、第2四半期と比べると市場の回復の兆しが表れています。
ツァハトは述べています。「多くの事業で好転の兆候が表れています。第2四半期と比べると自動車部門を含む主要顧客産業において需要の回復が見られます。特に、中国とアメリカが好影響をもたらしています」
ランクセスグループの2020年度第3四半期の連結売上高は前年同期比14.3%減の14億6,100万ユーロ(前年同期:17億400万ユーロ)となりました。継続事業による純利益は68.4%減の2,500万ユーロ(前年同期:7,900万ユーロ)となりました。
部門別業績:コンシューマープロテクション部門は引き続き好調
アドバンスト中間体部門に属する2つのビジネスユニットの需要は、第2四半期に比べて安定して推移しました。これによって販売量は、ほぼ前年同期レベルに回復しました。しかしながら、販売価格の引き下げと為替のマイナスの影響により、売上高、利益ともに前年同期比で減少しました。売上高は前年同期比14.4%減の4億7,000万ユーロ(前年同期:5億4,900万ユーロ)となりました。特別項目を除いたEBITDAは前年同期比28.6%減の6,500万ユーロ(前年同期:9,100万ユーロ)となり、特別項目を除いた EBITDA マージンは13.8%(前年同期:16.6%)となりました。
スペシャリティアディティブス部門も、引き続き新型コロナウイルスのパンデミックの影響を受け、特に自動車業界と航空業界からの需要減が起因し販売量は大幅に減少しました。販売価格の引き下げと為替のマイナスの影響も要因となっています。売上高は前年同期比18.5%減の4億1,000万ユーロ(前年同期:5億300万ユーロ)となりました。特別項目を除いたEBITDAは前年同期比33%減の6,500万ユーロ(前年同期:9,700万ユーロ)となり、特別項目を除いた EBITDA マージンは15.9%(前年同期:19.3%)と減少しました。
コンシューマープロテクション部門は、堅調な農薬事業と消毒剤の需要が好調であったため、引き続きグループ全体の事業をけん引しました。さらに、ブラジルのバイオサイドメーカー、IPEL社の買収によるポートフォリオの強化によって、為替のマイナスの影響を相殺しました。売上高は2億7,800万ユーロとなり、前年同期と横ばいとなりました。特別項目を除いたEBITDAは前年同期比7.3%増の5,900万ユーロ(前年同期:5,500万ユーロ)となり、特別項目を除いた EBITDA マージンは21.2%(前年同期:19.9%)と増加しました。
エンジニアリングマテリアルズ部門は、特に欧州における自動車業界の需要低迷の影響を受けましたが、これは第2四半期に比べ改善しています。売上高は前年同期比19.3%減の2億8,500万ユーロ(前年同期:3億5,300万ユーロ)となりました。主な要因は、販売価格の引き下げと為替のマイナスの影響によるものです。特別項目を除いたEBITDAは、ベルギー拠点における大規模な定期メンテナンスによる稼働停止と需要減により、前年同期比44.1%減の3,300万ユーロ(前年同期:5,900万ユーロ)となりました。特別項目を除いた EBITDA マージンは11.6%(前年同期:16.7%)と減少しました。
ランクセス、持続的に評価向上
昨年、ランクセスは、2040年までにクライメイト・ニュートラル(気候中立)を目指すと発表しました。今回、ランクセスは持続的な水資源管理の新たな目標を設定しました。「ウォーター・スチュワードシップ・プログラム」の一環として、ランクセスはまず、極めて高い水ストレスを抱える地域の内の4拠点において、特定のプロジェクトを実施し持続可能な水資源管理を強化します。これらの拠点において2023年までに総取水量を15%減少することを目標とします。ランクセスはこのプロジェクトでの経験を活かし、グローバルの水使用効率をさらに改善することができます。
さらに、ランクセスは、MSCIのESG格付がBBBからAに引き上げられました。これは、気候戦略、包括的なコーポレートガバナンス、化学的安全における妥協のない取り組みが評価された結果となります。
2020年度第3四半期 主要データ(単位:100万ユーロ)
| 2019年度 第3四半期 | 2020年度 第3四半期 | 変動率(%) | 2019年度 1〜9月期累計 | 2020年度 1〜9月期累計 | 変動率(%) |
売上高 | 1,704 | 1,461 | -14.3 | 5,166 | 4,601 | -10.9 |
特別項目を除いたEBITDA | 269 | 193 | -28.3 | 822 | 662 | -19.5 |
特別項目を除いたEBITDAマージン(%) | 15.8% | 13.2% |
| 15.9% | 14.4% |
|
純利益1 | 79 | 25 | -68.4 | 262 | 891 | >100 |
1株あたり 利益(€) 1 | 0.90 | 0.29 | -67.8 | 2.96 | 10.28 | >100 |
純金融負債2 |
|
|
| 1,742 3 | 1,150 | -34.0 |
従業員数1 |
|
|
| 14,304 3 | 14,351 | 0.3 |
1前年度の数値:継続事業のみの数値
2 定期預金および売却可能有価証券を差し引いた後の負債
3 2019年12月31日時点
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これは、ドイツ・ケルンで11月5日に発表されたリリースをもとに、ランクセス株式会社が発表したものです。
この原文(英語)は、以下のURLにてご参照下さい。 http://www.press.lanxess.com
ランクセスについて
ランクセスは、世界33カ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカーです。2019年の総売上は68億ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約 14,400人です。主な事業は、中間体、添加剤、特殊化学品及びプラスチックの開発、製造とマーケティングです。ランクセスは、持続可能性に優れた企業を選定する「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス」のワールド・インデックス(DJSI World)、ヨーロッパ・インデックス(DJSI Europe)および「FTSE4Good」の構成銘柄です。
ランクセスについての詳細は同社URLにてご確認下さい。
www.lanxess.co.jp
本件に関するお問い合わせ先
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TEL : 03-5293-8006 FAX : 03-5219-9773
lanxess.japan@lanxess.com
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