ランクセス、競争力を強化

ドイツの特殊化学品メーカー、ランクセス（LANXESS）は、厳しい経営環境に対応するため、包括的な経営効率化プログラムの実施を発表しました。現在、特に合成ゴム事業は、一時的な需要低迷に加えて、市場における競争の激化、原料価格の大幅な変動といった厳しい環境下にあります。従って、ランクセスは、「アドバンス」プログラムの一環として、コスト削減、人員削減、ポートフォリオの最適化を予定しています。

9月18日に行われた「Media Day」において、ランクセスのCEOであるアクセル C. ハイトマンは次のように述べています。「現状を考慮すると、直ちに対策をとる必要があります。ランクセスは、厳しい市場環境の中で、事業経営を堅実に展開してきた実績があります。持続可能な収益性の高い成長を可及的速やかに回復させるため、あらゆる必要な措置を講じます。現在、市場の安定化の兆しが見られますが、いつ、どのくらいの期間で回復するかは、まだ予測できる状況ではありません」

ハイトマンは、2013年度通年の特別項目調整前 EBITDA の見通しは、7億ユーロから8億ユーロ（将来の在庫評価減の可能性を除く）になると確認しました。

さらなる業務効率向上

ランクセスは、「アドバンス」プログラムの一環として、業務効率向上に的を絞った事業再構築によって、2015年度以降、年間約1億ユーロの削減を目指しています。これは、2015年度末までに世界で約1,000人規模の人員削減に繋がります。

これらの人員削減は、早期退職プログラムと離職手当を含む任意退職プログラムによって実施されます。さらに、対象となる従業員（経営委員会メンバー含む）の今年度の賞与は削減となります。全ての対策は、従業員代表と共に調整を図っています。

事業再構築は、すでにゴム薬品ビジネスユニットにおいて実施されています。同ビジネスユニットでは、南アフリカの拠点を閉鎖し、ベルギーでの事業を縮小しています。また、現在の市場状況に応じて、グローバルに事業活動を調整する予定です。ランクセスは、実績ある柔軟な資産管理対策も継続します。

「アドバンス」プログラムを推進するため、2013年度と2014年度に総計約1億5,000万ユーロの一時的な費用が計上されます。

ポートフォリオ管理

ランクセスは、現行の3部門14ビジネスユニット体制を継続します。同時に、ランクセスは、特定の非中核事業においては戦略的な見直しを推進します。

対象となる非中核事業は下記の通りです。総売上高約5億ユーロ、特別項目調整前 EBITDA約3,000万ユーロを達成し、従業員約1,000名が従事しています。

以下の製品群、事業が該当します。

ハイパフォーマンスマテリアルズ（HPM）ビジネスユニットのペルロン−モノフィル製品群

ゴム薬品（RUC）ビジネスユニットの促進剤および老化防止剤製品群

ハイパフォーマンスエラストマーズ（HPE）ビジネスユニットのニトリルブタジエンゴム製品群

影響を受ける拠点は、ブルンスビュッテル、ドルマーゲン（共にドイツ）、カロ（ベルギー）、ブッシーパーク（米国）、ジャガディア（インド）、ラバンツェナウ（フランス）、南通（中国）となります。

上記拠点におけるあらゆる選択肢は、法的枠組みに沿って、現地従業員の意向を踏まえ検討します。

「これらの各事業は、各市場で有利な地歩を占めますが、別企業の下でのほうが将来的に一層発展できると考えます」とハイトマンは述べています。

中長期にわたるポートフォリオ管理活動の一環として、ランクセスは主に、アドバンスト中間体およびパフォーマンスケミカルズの両部門を強化し、それによりグループの構造がさらに多様化する買収を目指しています。

また、ハイトマンは、「買収先は、ランクセスの主要指標に貢献するだけでなく、明確な戦略的適合性を備え、さらに企業文化にマッチすることが求められます」と述べています。

重要な製造能力増強プロジェクト

ランクセスは、継続して有機的成長を優先する戦略を実践します。今年度の設備投資予算額を約6億ユーロに縮小する一方で、同時に重要な戦略的プロジェクトを実施しています。今後はより小規模のプロジェクトとボトルネック解消に注力していきます。

ランクセスは現在、メガトレンドのモビリティに貢献する３つの重要な投資プロジェクトを推進しています。シンガポールのネオジウム触媒ポリブタジエンラバー（Nd-PBR）製造プラント、中国のエチレン・プロピレンゴム（EPDM）製造プラント、ベルギーのポリアミド製造プラントで、これらの建設は予定通り進んでいます。

ランクセスは、現在の一時的な需要低迷にも関わらず、長期的な成長基盤は盤石であると確信しています。「ランクセスは、高性能製品への注力により、引き続き競争相手との差別化を図ります。高性能ゴムおよび軽量化素材向けのプラントへの投資が、タイヤと自動車産業に供給するリーディングサプライヤーとしてのポジションを強化し、結果として、市場が回復した時に好結果をもたらすことになります。これらの戦略も、ランクセスが掲げる2018年度の中期目標値（特別項目調整前EBITDA 18億ユーロ）達成に近づく一歩となります」とハイトマンは述べています。

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これは、ドイツ・ケルンで9月18日に発表されたリリースをもとに、ランクセス株式会社が発表したものです。

この原文（英語）は、以下のURLにてご参照下さい。http://www.press.lanxess.com

ランクセスについて：

ランクセスは、世界31カ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカーです。2012年の総売上は91億ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約 17,500人、世界中に52の拠点を展開しています。主な事業は、プラスチック、合成ゴム、中間体、特殊化学品の開発、製造とマーケティングです。ランクセスは、持続可能性に優れた企業を選定する「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ワールド・インデックス（DJSI World）」および「FTSE4Good」の構成銘柄です。また、気候変動に関して優れた取組みおよび情報開示を行っている企業で構成されるCDLI（Carbon Disclosure Leadership Index：情報開示先進企業リスト）に選定されています。ランクセスについての詳細は同社URLにてご確認下さい。www.lanxess.co.jp

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(2013-00110J)