車のどの部分がもっとも重要かについては意見が分かれるところですが、1つ明確なことは、タイヤなしには車はまったく動かないということです。つまりは、タイヤが車と地面をつなぎ、エンジン力を車の走行に変えます。
タイヤは複雑な工程を経て製造されます。現代のタイヤの枠組みは、多くの個別の部品で構成されています。また、厳しい環境下においても、タイヤは、高水準のブレーキ性能、ウェット・グリップ(湿潤路面でのグリップ性能)、転がり性能、快適性を備えていなければなりません。従って、製造には、継続した品質管理が必要となります。
ゴムを混合
タイヤカーカスと転がり性能に繊維コードは重要な役割を果たしています。その製造には、高精度が求められます。タイヤにおいて、この繊維層の機能を十分に活かすため、安定した糸を束ね、撚り合わせてコードにし、織布をつくります。そして、この織布に薄いゴムの層を被覆します。このゴム被覆織布のシートが一定の幅と角度に裁断され、最終的にタイヤのカーカスを構成します。
織布とスチールで構成されるカーカス
タイヤカーカスのもう1つの部品は、スチールベルト・ファブリックです。この製造は、前述の織布の製造工程と似ていますが、糸でなく、スチールワイヤが使用されます。ゴム被覆されたスチール・コード・ファブリックが、スチールコード裁断機により、必要な角度に裁断され、細長い1片に組立てられます。
タイヤ製造の最後の工程は、タイヤのトレッドの製造です。このトレッドが、エンジンの力を車の動きに変えます。押し出しプロセスによって、ゴム化合物が高圧と高温下で、プレス成形され、カラーマークで標識されます。これにより、最終製造工程の際、様々なタイヤモデルを識別することが可能となります。
タイヤカーカスと加硫
タイヤ製造のため「半製品」が、前処理された後、実際のタイヤの組立てがスタートします。全ての個別部品がタイヤ組立て機によって、タイヤに組立てられます。この、まだ加硫されていないタイヤをタイヤブランクと称します。
次の製造段階では、プラスチックの性質を持つゴム化合物は、加硫プロセスによって弾力性あるゴムに変化し、これらの化合物が相互に加硫されます。このため、タイヤブランクが一定の圧力と温度と時間で「調理」されます。
同時にタイヤブランクはプロファイル成形され、タイヤの側面部に標記されます。
このように、タイヤの基礎製造は完了します。